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シンカラス  作者: 白木克之
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第二章 ドーム外編

回収され、鹿捕獲の為の四方網も、どんどんと作られた。鹿を飼育繁殖させる為であるし、鹿の餌もドーム外に無尽に近い程ある食物を利用した。勿論オオコウモリの生態もかなり詳しく調べられかけて来ている。分かって来た事の一つとして、言われていたように確かに類人猿に近い知能を持った個体も居るだろうと言う事だ。また、一番生息数が多いのはやはり猪だろう、もともと多産動物だ。オオコウモリの襲撃を避ける為、雨季・乾季を移動しているのだと言う事だ。象の道も検証した。自分達の住む所が、*旧名称の九州と言う場所であり、北側に位置すると言う事も分かった。だが、まだまだ自分達の行動範囲は狭かった。そして、今この眼の前の世界に君臨する王者であるオオコウモリを刺激しないように、定期的に鹿や猪、野犬等を補殺し、自分達の食糧確保と同時に餌を与えた。こうする事でオオコウモリをある意味で利用しつつ、敵では無いと繰り返し人間達が発信する。なので、襲われる危険性が減って来た。かと言え、相手は繰り返すが、100年間もドーム外で君臨してきた食性ピラミッドの頂点、王者であった。

*このドームが創られた時代には、そもそも日本を4つの島で分ける名称は消え、全て陸続きのように結ばれていたし、県と言う区分も無くなっていた。それだけ交通網も発展し、国を統治するシステムが変化していたからだ。後にもっと分かる事になる。


「*野犬を飼い慣らす?」


 また、とんでも無い提案が出て来た。

 生物班のカジと言う男だった。


「ええ・・犬は確かにオオコウモリにとって狙われる食糧の一種でありますが、餌を定期的に与える事によって、もともと数万年も人間と暮らして来た動物です。子犬から飼えば、十分に飼い慣らす事が出来ます」

「飼い慣らしてどうするの?」

*これも、後にそう言う方向性が出て来る。しかし、一部の者だけ・・


 これはシンがカジに聞いている。


「犬ぞりを作りましょう。そうする事で相当の距離を象の道を利用し、行動範囲が広がります」

「成程・・それは生物班のメンバーがやってくれるんだね?」

「そうです。それと鳩が居ます。それも飼育しましょう。もともとこちらも人間が飼っていたカワラハトの子孫で、通信に使われていたものです。飛翔スピードはオオコウモリには劣りますが、滅多に空中で襲われる事は少ないのでは?鳩がオオコウモリの胃袋を満たす程の食糧対象とはなっていないようですから。勿論、その鳩も遺伝子操作がなされ、飛翔速度は殆どオオコウモリと変わらないと思います」

「ほう・・匹敵する鳥類が居たと言う事か・・」

「これも、今まで余り出て来なかった情報の一つとして、軍用鳩と言うのも検討されていたようです」

「色々・・次々と出て来るねえ・・小出しの情報だけどさ・・はっはっは」


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