塔までの道
「うお!何!」
リンは、咄嗟にサイレンサーを音の方向に撃った。ブシューーン!キョウは大声を発した。殆ど耳元を掠めたからだ。撃ち殺されてしまうじゃないかと思った。
「うわっつ!あっぶねえ!何をしやがる!おいっ!リン!お前は、何でそんな武器を持っているんだよっ!何なんだよ!お前らはっ!」
「だ・・誰だっ!」
ヤマイとシンが駆け付けた。そのキョウの眼が点・・
「ああっ!お前はヤマイ・・もう一人はシンか!」
「何だと・・」
リンの横に2人が来ると、サイレンサー付きの連射銃を持って身構えているキョウが居た。ヤマイが声を上げた。
「お前はキョウ!・・そうか、刺客か・・お前は」
「な・・何を言っている。それより、お前ら生きていたのか!」
「居たよ、悪かったな、それで今からその銃で俺達を殺すのかよ」
「ば・・馬鹿を言っているんじゃねえっ!それも、お前らはぴんぴんしているじゃねえかよっ!」
シンが怪訝顔・・
「お前・・余り顔を見たことも無かったけど、こいつも特命メンバーのキョウか?」
「そうだ・・お前はシンだな、ヤマイは知っている。もう一人は、やっぱりリンだよな・・おい、銃を向けるな、お前」
「俺は確かにリンだよ、俺はお前を知らないがな・・でもさ、お前こそ銃を向けたままで今にも撃ちそうじゃん。それサイレント連射銃だろ?そんな武器まで持ってやがるって事は、やっぱり俺達を殺しに来たんだな」
「おいおい・・待て、待て・・銃を下ろせ。俺も下した。俺はお前達の安否を単独で探せって命令されて、特進路から・・あ・言っちゃった」
ヤマイが、けらけら笑う。
「あはは・・リン、銃を置け。それにキョウ。俺はそんな情報も、もうエライ班全員に喋っているさ。有る事をな。けど、場所の事は言っていないぜ?それにそれ以上の情報もある」
「分かった‥落ち着こう、俺はお前達の安否を探しに来たのであって、生きているかも死んでいるかも不明なのに、最初っから殺しに来る訳もねえじゃねえか。だから、話そう、な・・互いに説明も必要だ」
「ああ・・そこは、そうだな、分かった」