第一章 進の日常
二人は、相当精神的に追い詰められているように見えた。それを感じないエライリーダーでは無かったようだ。
「そろそろだな・・追手君、用意を」
「はい」
ここで、前回企画管理室に居た金髪の美女が、現れた。
すぐ、準備は出来ていたようで、シンとランがエライリーダーに呼ばれる。
「お・・」
短く声を上げる二人。こんな美女が居たのかと思ったからだ。しかし、実動部隊に秘書的な者は皆無だ。この女性も実働部隊員なのだろう。
「今日で体感訓練は終了した。よく根を上げなかったな、2人とも」
「終わりですか・・」
ほっとした表情で二人は、顔を見合わせた。
「紹介しよう、私の実動部隊に加わった、追手翔君だ」
「え・・何か男っぽい名前ですね」
「おい!失礼だな、お前達、れっきとした男だよ、俺は」
「そうっすか・って、ええっつ!」
こんな美女が男なの?エライリーダーが言う。
「見た眼で判断するな、実動部隊に女性など居らん。又指名する気も無い」
「気も無いって、それはリーダーの好みが優先されるとか?」
「馬鹿者!そんな意見が通るものか!男女の差別をする訳では無い、しかし、このミッションは男で無くては務まらないのだよ、3人共」
「はあ・・」