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シンカラス  作者: 白木克之
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第一章 進の日常

「またお前は!どうして、こんなミスばかりするんだよっ!」


 その男は、恰幅の良い中年の前で、まるでコメツキバッタのようにひたすら頭を下げていた。


「ふ・・まただよ・・あいつ」


 周囲の者は、冷ややかな顔をしながらその様子を見るが、すぐ何も無かったかのように、自分のデスクに向い、パソコンのキーを叩いたり、通話等の応対に・・


「なあ、シン・・お前、この会社=*セクトに入って何年になる?」

「はあ・・かれこれ10年になりますかね」

「だろう?10年もこの仕事をやっていて、お前の同期は、とっくに各地に部下を引き連れて飛び立っていると言うのに!」


 シンと呼ばれる上司は、どうやら心から叱っているようでは無さそうだ。叱咤激励の意味もあるのか?一端、又だよとその光景を無視はしてはいたが、そう思った者も少なく居た。

 確かにシンは、リーダーたる資質は低いと思われていたし、ここまで目立った成果も功績もあげた事も無い。平凡を絵に描いたような人物だった。又、最近はこの実務の方に配属されていて、現この部屋のレイアウトを見れば、一目瞭然事務系の仕事場だった。そのシンが何かのデータを入れ間違えたのか、或いは出力した報告書・稟議書・計画書・見積り書類などに不備があったのかと思われる。

 しかし・・違った。

 その上司は言う。

*セクトとは組織そのものの事で、このシンは15歳から加入していた。

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