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シンカラス  作者: 白木克之
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最終章 シン達世代の終焉

 あれから、数年・・まだシン達は生きている。だが、もう残存人類は、数百人しか居なかった。MRが使えないようになったのだ。それはWCIの仕業では無い。太陽フレアが爆発して、その光ケーブル網を遮断する電磁波を誘発していたからだ。だが、反面地球には相当な緑が蘇った。イオペタス、CU11はWCIが奪い取るが為に存在したように、全てのその動きは監視されていたようだ。和良司令官は結局身を滅ぼしはしたが、新たな生命として復活と言うか、今度こそ宇宙へ旅立てる体を手に入れ、飛び立って行った。

 しかし、シン達はもう地球には再生出来る余力が少ない事も分かっていた。もう、5年内に再び傾いた地球の地軸が、揺れ戻されるかのように、急激に動く事によって、大地震、大津波が襲い、もう数年先まで生きられる希望は無い事も・・。

 シン達は、もう30歳を超える年になり、続々と次世代も生まれて来た矢先の出来事。ようやく地球上に百万人の人口が蘇えるだろう希望もあったのにだ。何と言う運命なのだ。かくも自然の猛威の中では、人類としての生命体は脆弱な存在なのであろうか。地下通信路は壊滅。M国も崩壊しただろうが、確かめる手段も失った。彼等にはもはやどうする手段も無かった。

 しかし、地球は、全てを再びキャンセルしようと言うであろうか。否、地球だけではない。恒星太陽がその鉄槌を下したのかも知れない。

 勿論、シンは今でも首班であり、現地球組織数百人のトップである事は不動だし、ややあの頃と比べると、ややその生気は失ってしまったが、アマンを妻にしていた。そうなのだ。シン達トップ5遺伝子には、子宝が授かっていた、これが唯一と言うか和良司令官が遺してくれた善の行為だと思う。何が善で悪なのか、またその議論をする時も、人類が再びまた増殖し、各地で自分本位な欲望をむき出しにし、そして愚かな戦争に走る事はあってはならない。必ず、地球号はその鉄槌を下すだろう。

 シンは妻アマンに言う。子供は既に一人生まれていた。犬達の中で『戒・愁』は既にこの第3波の地震で没したが、まだ、施設が使えた時の分析では、犬の平均寿命を遥かに超えて、死後解剖の結果30歳まで生きられたたのでは無いかと言う事も分かった。それはついこの先年の事である。この年に地球上各地に亀裂が走り、シン達は殆どの先時代の遺産を失ったのだ。それも、O大陸に組織が移動しようとしていた矢先の事だった。MFFでは、数百人しか移動できなかったのだ。

 ケン達と共に地球の最後の時を待つしかないシンは、束の間かも知れないが、豊かになった大地に、MRで飛び回る生活はもう無い。もうオオコウモリの脅威も無かった。彼等の生活圏も大幅に失われて、再び生命は殆ど死滅してしまった。O大陸に僅かに渡った個体は居るものの、巨大台風、地震によってオオコウモリには、もはや逃れる術も人間と同様に無かったのだ。O大陸にせっせとシン達が植生を試みた事は、どうにか彼等を生かせたのである。食は何とかここで充足されていた。またM国の蝙蝠群、またオオスズメバチ群、そしてカマドウマ群・・WCIが教えてくれたものだった。それはその対象達が、鉱物組成の生命体そのものだと言う事もだ。リンがその突発的遺伝子で超音波を使う行為そのものが、この異種の生命体?ペンギンも含めて、鉱物組成の生命体として傭兵群になる事も・・この解除をWCIは宇宙へ旅立つ際に、ペンギンと共に消去したのだ。彼は本当に極悪非道の人物であったのか、地球を本当に束の間であっても、クリアしたのも、彼では無かったのか、少なくてもシンがこれだけ活躍し、動いて来たものは無駄では無い。この新たな世界を、少なくてもあれから数年保って来た事は、そこまでの経験があったからだ。科学は必要最小限度で良い。MFFは何故か使えた。これは内部に特殊光ケーブル網が、分子レベルまで凝縮され、それによって駆動出来る永久的動力があるそうだ。


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