最終章 次代はある?・・
「我々です。それは、思いもしなかった結果で、申し訳の無い事です」
「シン君。君の体に流れるトップ5の超突発的遺伝子は、生まれた時から注目していた。それは人類の可能性を残した。そして、君にはもう分かっているだろう。この宇宙に網羅された、この無線光ケーブルこそが、全ての記憶媒体だと。君はそこから全ての情報を取り出す事が出来る。他4人も君程では無いが、それが出来る突発的遺伝子を持つ子なんだよ。もう何を私がしようとしているか、或いは君が交渉破綻になり、そのMFFを操縦し、私に向かおうとしても無駄だ。私に攻撃する事は不可能だからだよ。何故そのMFFを一機残したと思うのかね?考えて見るが良い。この茜色に染まった地球の断末魔の叫びを」
「やはり・・」
コウタがつぶやいた。シンの言葉が、そのままの事を示唆しているのだ。
とても意味深な言葉だった。しかし、シンはそれには反応せず、
「もう、ぴりぴりしながら、情報漏洩を気にする必要もありませんでしたからね」
シンは苦笑い。
「その通りだ。私には、君達を滅する気持ちは皆無だ、そんな事をして、何か益でもあろうか・・この地球は狭いし、危険だからね。この先も地殻変動は幾度と無く起こるだろうし、ふふ、今がその大事変の第二波直前だと言う事も理解したかね?君はもう分かっているのだろう、感覚的にね。だからその情報を私に確認しに来た」
「え・・むむむぅ」
シン以外の全員が絶句した。再び地球大事変が起きると言うのか・・と。
「この大試練を生き抜けても、その先には恒星太陽も終焉を迎えるだろう。この自在型衛星こそは、その唯一の人類の未来なんだよ、だが、この衛星を牛耳る狂った国の先祖は、後世の事すら何も考えちゃ居なかった。故に最後の後始末をする所だ。その期限も君は察知したのだろう。そして、よくぞ組織をまとめあげたものだよ、それには敬意を払い感服する。君の特別受動本能がこれを感じたのだろうな。だが、私にはそんな選択は皆無だがね。もう一つ、君たちはいつまでM国地下内に居るつもりだ。もう殆ど両星の制御機能は制圧した。今それを書き換えている所だよ、そのシステムをね。その後、MFFと名付けたのだな、その名前を踏襲させて貰うが、3機あった。両衛星対策に2機を使っているものの、よく旧日本政府が開発したとは思うが、これでは宇宙には行けない。君達にこれは返すよ。少なくても、君達は地球人類の最後の希望になるだろう。勿論、この地球大事変の第二波で、これを使ったとしても、後数十年続く大事変に対し、君たちがどこまで生き延びられるかは分からないがね・・では」




