第25章 勃発
「う・・それを言われると」
流石にランは黙ってしまった。リンが、
「おうお・・見事に切り返されちまった。ラン、降参しろ。シンは何もかも承知している中で、こう言う新たな提案を自分自身が受けたんだよ。お前のあの時の提案は、大きな欠点もあったと言う事になる」
リンがこう言う場合は、きちんと理解していた。ケンとマコトもその反論には深く頷くのであった。
「俺は、ラン・・お前のアイデアは否定なんぞしていねえよ。だから、今回の提案と合作でどうだ?よりこちらのリスクを回避したい。それは当たり前だろ?これも戦術なんだからさ」
「あ・・じゃあ、俺を怒らせて、もっともっと誰が言いだしたのか分からないけど、共同で煮詰めろと?しかも、今回の動きは急速だ。急ぐわな」
シンは黙って頷いた。そして、
「ああ・・急ぐ。WCIがどの方向を見ているかで、俺達の生存にも関わる。重要でとても慎重に行動しつつ、すぐにでもやりたい。このメンバーに聞きたい。お前達は、この交信にどう感じるか?それが重要なんだよ。5人会議のこの感覚が必要なんだよ、自分達が追い詰められていると言う自覚で答えろ」
シンのやはり真意がここで分かったのである。しばらくは無言の5人だったが、マコトが・・
「俺は前の時、ランの言葉に賛同した。その上で、やるべきだと思う。俺達は何も出来ずにここまで来た。しかし、その中でランが月面で組み立てたレーザー砲は、両衛星から攻撃されれば、恐らくひとたまりも無いだろう。しかし、俺達が反撃出来る僅かの可能性を持つためにも、丸腰で闘える相手じゃ無いからこそ、これは必要だった。希望がいるからだ。少なくても聞いていて、WCIは、地球上で攻撃姿勢を見せたのはI国だけにだ。だが、そこでMシステムが作動し、今もその攻撃を阻んでいる。何故かは分からないが、そこに何等かの関連があるんだろう。それを知る必要もあるのかも知れない。それに対して、両星に驚く今の飛機で向かった。これは、意図を知るべきだ。この異常さには、俺達は今更驚かないさ。だって、今までずっとこんな調子で生きて来た。死ぬのなら、やる事をやってから死にたいわ。俺もさ」
マコトの言葉に頷きながら、今度はケンが言う。




