第25章 勃発
「確かに、高分子砲だの量子発電所等と言っていた時から、封印はされて来た。それが、あんな乗り物と言うか、殆ど光速仕様だよな。どんな国も開発すら出来なかった代物だ。日本がこう言う乗り物を開発していたと言うのなら、やはりＷＣＩしか開発出来る者も居なかった。ひょっとしたら、俺達地球人類にはＳＦ世界のように、先住民族が居たのか、或いは異星人が既にこの星を占拠していたかのようにさえ思える。俺は、正直に言うが和良司令官って、俺達人類とは違う種別の生物だと思うんだよ」
「おい、話を飛ばすな・・ランはよ」
リンが突っ込む。しかし、マコトは肯定的に、
「そう思っても不思議は無いし、逆に俺も違和感が無い。そこまで飛び抜けた存在だからこそ、俺達も現在見守るしか無いんだ。この状況の中で、ランは、既にレーザー砲５機を組み立て設置したと聞く。でもイオペタスや、ＣＵ１１、或いはこんな超科学をすら保持していたＷＣＩの存在もある。こちらの防御網はどうなんだ？」
「そこを突っ込まれると・・いや、大丈夫とは全然言えないっすよ。だって、大砲を打たれたら、かなりの地中に機関銃を収納していても、一発アウトですもん」
ランは苦笑しながら答えた。ケンが、
「そこは痛すぎっすね、マコト兄。厳しい質問っすよ。俺達は亀のような防御網の中でＭシステムに守って貰っている状況の中で、これでもどうにか、やられっぱなしでは無いぞと言う反撃手段を持とうと言う事になったんすから」
「ああ・・そうだったな、済まん」
マコトが謝るが、リンも手を振りながら、
「いや、それも有りなんだ。でも、そのまま一瞬で終わるんだったら、ＷＣＩが大人しく今までＩ国進撃を行っていたのは何でだ？と言う事になるだろう？そんな科学機器なんぞ持っていたのなら、一発でⅠ国も頑丈とは言え、Ｍ国だってやられている筈。でも、そうはしなかった。今回煌々と輝き出しているＣＵ１１や、こちら地球の空も茜色に染まっている。このＣＵ１１に対し、少なくてもアクションを起こしたのはＷＣＩだ。ここでむしろ、地球に対し、ずっと思って来たのは完全なる敵では無く、むしろこの地球改造論者では無かったのかと思うようになった。いや・・勿論、そこに人間の尊厳であるとか、生命に対し、実験道具、或いは使役すべき存在等と感情すら持たないやり方は、悪の権化だと思うけどさ。少なくても現地球にとっての敵では無いと思う」
「成程・・リンの言う言葉にもある一定の理解は出来るかも。で・・シン、ここでは役職なんぞ、全く関係無いと言う事だからそのまま名前で呼び合っているが、何の為に、俺達を召集した？」
シンは、
