第25章 勃発
この時は、ランのその考えを聞いただけだった。いずれにしても強力な火器を持つ両衛星に対し、シン達組織が、大砲に対して機関銃的な攻撃をしたって土台無理な話だった。それだけ強大な敵である認識だけが日毎に強くなって行く。
「どのような策を講じようと、君らでは両衛星に何の打撃も与えない」
「うおっ!警告雲が突然現れた!」
シン達は驚くのだった。
そして、更にこのようなメッセージがO大陸上空に日本語文字で、紫色雲で現れると言う動きがあった。
やはり和良司令官同位体がシン達に警告を発したのである。それは、やはり和良司令官とは違っていると感じた。
南極に黄金色の薄着で現れた和良司令官同位体=ここからはもう和良の頭文字を取り、W・そして司令官=コマンダーの頭文字を取り、C、同位体アイソトープの頭文字I、その略語でWCIとした。ただ、呼びにくい上に彼等は、はっきり敵だと認識もしている訳だから、ワクイと呼ぶ事にしたのだった。
大群・・ペンギンが増殖したのか、O大陸の北砂漠地帯に終結していた。それにまるで呼応するように、既に地球の公転軌道にイオペタスが、月の公転軌道より地球からして、月の距離の半分位外円周軌道に入っていた。この動きは、かなり地球上の潮の満ち引きにも影響をしていて、日本のドームがあった場所・・つまりシン達の生まれた基地そのものが既に水没していた。また火山等が更に活発化し、あちこちで噴火をしている。再び地球大事変が何時起きても不思議は無い状態に陥っていた。否・・既にそれが起きているのだろう。
M国に中枢部及び拠点移しているシン達であっても、複数の基地が消滅している事を嘆かない者は居なかった。しかし、この巨大な敵は彼等ではどうする事も出来ないのである。
「何か・・赤道付近で、巨大な台風が出来つつあるようだ」
もうシン達は隠す事なく、全世界にⅯRを飛ばしていた。気象のデータは必要だ。雨季、乾季もあるし、その中にT国で大洪水も一時発生していたし、日本の阿蘇山、桜島周辺の火山活動も依然活発である。彼等の本来の拠点は全くの無傷であったものの、生活基盤、本部等はM国に移している。その本来の中枢に何時いかなる攻撃が開始されるか分からないからだ。何度も言うが、イオペタス、CU11のレーザー砲のその組成は違うが、彼等の元中枢を一瞬で破壊できる攻撃力を持っているのだ。それに対し、WCIが今の所反撃を行う火器があるのかどうかは、全く不明ではあるものの、宇宙に敷き詰めたその情報網と、未だに不明な和良無線光ケーブル網がどのような役割を持ち、真なる目的があるのかも分かっていなかった。しかし、その一部はもう披見されていた。その対象に、何等かの誤作動を誘発させていると言う事だ。あれからO大陸にもレーザー砲が発射され、沙漠地帯に穴も開いたが、南極は無傷であるし、実際O大陸の沙漠下にどのような施設があるのかは、シン達も探る事は出来ていなかった。
ダンが指示をしている。




