第24章 暴露された過去
「そうなのか・・じゃあ、その為のスキルアップ攻撃か」
マコトの顔は暗くなる。だが、アマンは、
「いえ、それは実は蝙蝠群も同様になのです。御覧下さい。我々も情報収集は出来ます。和良司令官同位体が得られる情報と同じくですので。それこそ、この情報シャットアウトは、出来る者など存在もしないでしょうし、一部を除いて部分的にはと言う意味ですが」
「ああ・・そうか、じゃあ、俺達・と言うかリンがどうにか退けたやり方は、もはや蝙蝠には通じ無いという事だな?」
シンが答える。
「そうっす。どこまで行くのかは分かりませんけどね。双方が拮抗している状況は、どこまでのスキルアップが出来るかでしょう。ここまで戦略が練り込まれているとは驚きっすよ」
「それが、超近代戦争と言うものだったのでしょうね。だが、一瞬で終わると言うボタンを押すのはあくまで人間ですので。AIにそこまでその権限を渡す程愚かでは無いでしょうし」
アマンがそう言うと、
「うん・・そうだな。自滅を承知で自分達の労力や細かい作業を委ねきった果てに、最後の決断まで任せては、恐らくAIは無用な人間など排除しただろう、即にな」
「そうである事を、我々も認識しながらここまでやって来た訳っす。そして、こう言う戦闘って言うのは、各国が滅亡しつつある人間に代わり、自分達の開発力を競うが為の生体武器じゃ無いんすかね。つまり代理戦争って言う訳です。そこでやはり有利な国が、少なくても地球の領土は制服しちまう事になるんすよ。この戦いを見ながら特にそう感じたですわ」
「そうなんだな・・俺は、やっぱり人間の欲望と言うのは、消えないもんだと思いながら、それも失ったら、やっぱり人間と言うのは思考力も失って行くんだろうなと思っていた」
「そう!そうなんですよ、隊長。だから人間は衰退して行ったんす。日本はその危機感をどこよりも持っていた。その為、一番日本国内でも安全係数の高い北九州地区を選んだんす。でも、南九州はあの状況だったじゃないっすか、もうほんの少しでアウトだったのに、奇跡的に助かったのが日本の中で、唯一残った第1ドームだった訳です。しかし、そのダメージは50年と言われていたのに、もう僅か3年しか残っていなくて、崩壊前に俺達が脱出出来たから良かったものの、危ない所でした。よくぞそれも切り抜けて来たなと思いつつ、この現状をやっぱり座視する訳にはいかないんすよ。その調査をよくぞやってくれたお陰で、何となくM国防御網と、大鰻に繋がる栄養源とかも分かってきつつある事を伝えたかった訳です」
「おう・・そうか。俺は何も役に立ってないと自問自答しながらここまでやって来た。少しは役立ったのかな、それなら」
ここが、マコトをして人望を得る所以なのだろう。そして、この者の心根こそが本来人間に必要な感覚なのだ。
マコトはシンからのデータを受け取り、部屋を後にした。長く居座る事等はない、必要な情報のみ端的に伝えれば良いのだ。




