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シンカラス  作者: 白木克之
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第24章 暴露された過去

 シンから幹部達に連絡が入ったのは、マコト達が始動し始めてから2か月後であった。この間にも非常に慌ただしい事が、連続して起きていた。全てはこれからシンから説明も入るだろう。個別活動を続ける彼らには、そう言う情報は伝わってはいるものの、詳細については現状で十分に把握するまでには至っていなかった。

 この場に居るのは、マコトとケンシンの2人だった。シンの左右には勿論エイジとアマンが居る。この本部中枢の3人がもう殆ど中心に司令部兼任になっていると言って良い。戦時ではそうなるべきなのだ。

 シンは言う。


「色々調べてくれたようっすね。確かに鰻の生体については太古から居る事は知っていましたが、こんな状況の中で、それがどのような地底湖との関連もあるのかも、調査する余裕も無かった事っす。よくぞ、発信機等の装填とキャッチが出来ましたね、隊長」

「いや・・アイデアの殆どはケイジが出してくれた。尤もアームを使ってどうにか捕獲し、そこへ針状の発信機をつけたのは俺だがな。かなり苦労したぜ。この発信機を発明したのは、ミナミだそうっすね、部長」

「ええ・・小型の発信機と言うのは、実はオオコウモリや九州の今や旧本部になってしまいましたが、周辺動物の動きを監視する為に開発したものなんです」

「そうっすか。でも、この発信機って言うのは、逆に和良司令官同位体にも知られていると言う理解で良いっすか?」

「ええ・・隠そうとしたら逆に何かを成しているのだろうと勘繰られるだけでしょうし、我々はどうしようもない怪物を相手にしている訳ですから、動物観察の目的と単純に理解してくれる方が、返って無難だと思っておりますので」

「なるほど・・俺達って、今の所牛耳られている訳じゃないから、これまで通りのやり方で居る訳か・・」


 マコトは頷くのだった。


「今も、今後もっすよ。俺達は、独裁者に従う愚は選ばない」


 シンは強い言葉で言った。マコトは、更に深く口をきゅっと締め頷くのであった。


「今回のマーキングは、今までどのような経路で地下湖に大鰻が入って来るのか、かなりの部分で分かりつつあります。大きい個体で2Mを軽く超えるものも居て、どうしてこの食物的には恵まれない地底湖に来るのかと言う事です。Ⅰ国沖の深海で卵を産み、浮遊卵となり海洋に漂うと言うのが一般的でした。しかし、この鰻は全く違う・・卵胎生だと言う事っす。つまり、体内で孵化させ、それが地底湖で育ち、深海に戻って行くと言う形っすね」

「そうだったのか・・俺達は何か、そうすべきかなと思って今回M国でも、不思議な生物や、不思議な出来事の連続であって、何かに繋がればと言う思いだけだった。確かに海底には無数の洞穴がある。だが、小型MRでも調べているものの、とても複雑で迷路状になっている。ここは、どこかで急激に細くなる。つまり、小型MRでもぎりぎりの場所に、必ず行き着くんだよな」


 マコトが言うと、


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