第24章 暴露された過去
「そこでだ・・もう俺の中では決定はしているものの、やはりこれからはもう少し煮つめない事が満載している。そこは同じだと思うが・・」
「じゃあ、こちらから座して死を待つより、攻撃すると言うのか?」
「そうだ。どの道、今俺達が居る場所も、針の筵だ。少しでもこのシステムに触れれば、何とか逃げ切った攻撃も、今度は危ういと思う。だから念には念を入れ、言葉は悪いが逃げ込んだ状態だ。今回のⅠ国進出への防御を見ても分かっただろう?俺たちはこの広大な『竜の巣』の一部に間借りしている状態だ。そこも分かっていると思うが、一切の感情等は入らない。俺達もこの地では敵であり侵入者なんだよ」
「ああ・・分かっている」
「虎の尾を踏まずに今は居るだけさ、でも、俺達にはこの窮屈な空間が唯一安心出来る場所だ。だが、そう簡単に攻撃もされないように動いてもいる。じっとはしていないんだよ」
「それも良く分かっているさ。地底湖を探索した身としてもさ」
「そうだな・・地底湖からは絶えず泡が噴き出ている。それが酸素の泡だと言う分析もある。このM国の巨大生物は、それの影響だとも分かってきつつある」
コウタはこの話題になると即、
「うん、そこで南極の移住空間とは、地下3キロから5キロ以上の火山の恩恵と言えばおかしいが、その地熱の影響下において、十分に生存出来る可能性が高いと言う点だ。逆に砂漠の下にあるO大陸においても地下空間とは常に温度は一定に保たれる。また、水分の少ない環境は機器類の保存にも適していると考える。そして、もう少しその考えを広がれば宇宙にも当てはまる」
そこでエイジは言った。
「そこ・・同じ視点っす」
大きく頷くのであった。
「で・・あればイオペタス上に人なる存在があっても不思議は無い訳だ。そして無酸素状態、低温の地であろうとそれも平気だ。何故なら、地中から養分を吸い取り、動ける植物があっても、これも不思議は無い訳だし、それこそ数千年も生きられるからな」
コウタのとんでも無い発想に、流石のエイジもアマンも口をぱくぱくさせた。確かに・・動物で無いと言う発想は無かったのだ。即植物と結びつける倫理は荒唐無稽に思えるから、粘菌と言う発想も生まれた。即ちそれこそ今まで優秀過ぎるが故に、結び付けられなかった2人に勝る生物学者としての高い資質が発した言葉でもあった。




