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シンカラス  作者: 白木克之
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決別 12名の戦士達

「良いか!我々は、危害を加えられる恐れのある動物達となるべく接触しないように動く。敢えて動物達と戦争をする訳では無い。必要な食料は既に確保している。そこを忘れないで行動してくれ」

「はい!」


 目的は第2ドームを探す事だ。8キロ圏内にあるとするならば、一日で戻れる距離だ。それ以上の行動範囲は、不可能に近い今の状態から、出来る事をやるのだ。

 シン達は、13人が連携して森林を歩んで行く。確かに*蛇が出た。かなりでかい蛇だから、青大将あおだいしょうか、昔ペットで飼われていたアナコンダや、ニシキヘビも居るだろう。コブラだって可能性が無い訳ではなかったが、絶対数は仮に居ても非常に少ないと思われる。何故ならオオコウモリはそれらの蛇すらも捕食対象とするからだ。圧倒的な数でこの日本の制空権を制しているのはオオコウモリに間違い無いのだ。又外国からの侵入生体兵器も、情報は知らぬまでもこのオオコウモリに比して勝てるだろうか。ここにオオコウモリが無数存在しいている事が証左なのだから、深く考える必要は無かった。当面の敵、注意すべき対象に対して警戒していくのである。

*ここで蛇が出て来た。一番実働経験値のあるシンも初めて遭遇したのであった。


「今まで余り遭遇しなかったが、結構色んな動物が居るなあ」

「それは当然だろう。でもさ、今まで人間が生活して居たエリアから追われて、動物達は本当に窮屈や山野や僻地に生活していた。食さえも脅かされ、人間の食に手を出せば射殺もされて来た。そんな動物が、今やどこの大地にも自由に闊歩出来るようになっている。勿論人間が居なくなったから我が世の春を謳歌している訳じゃない。奇しくもその君臨に代わる、人間が改良開発して生体武器なる動物が、その大地を席巻しているんだからさ」

「ああ・・何と罪深いのが人間なんだなって気がするよ、それに、知能を持ったばかりに自殺までするんだからさ、動物達の自殺なんて有り得ないからさ」


 皮肉な言葉だった。しかし、その通りの現場だった。

 その時緊張した声が聞こえた。


「何か居るぞ!大型動物だ。皆、固まれ」


 エライ班長が先頭を歩いているから、何かを黙認したのだろう。

 それぞれが、短銃を握った。そして手榴弾も坑内から出て来たので、もしやの時用に持って来ている。しかし、これを使えば、ドーム外の監視塔では何らかのチームの存在気配及び、異変を感じられてしまうだろう。ドーム外で人工的な爆発音が聞こえてしまったら、なりふり構わず、実動班を派遣してくるかも知れないのだ。だが、彼らが罪を犯して追われている立場では無いが、今はとにかく自分達のアイデンティティを確立している状況なのだ。自立出来ると言う事を自分達が証明してやるのだ、命令されなくてもだ。その意義だけである。だが、それが結果的に組織に反逆している行為だと見られる、即ち裏切り者と見られても仕方が無い事ではあるのだが・・

 緊張が走った。猪以外の大型動物はクマ?そんな認識しか無かった。100年前に生息していた動物を中心に考えれば、至極当然で常識的な思考であるのだが・・


「来る・・確実にこちらに狙いを定めて居るようだ」


 姿は見えない。だが、気配で感じるのだ。確かに居る・・相当でかい動物が・・

 シンにも緊張が走った。余り彼は動揺しない性格の男なのだが、少し冷や汗が出た。それは、チーム全員もそうだった。

 ばきばき・・木が倒れる音だ・・その大きさは、人間の倍以上の高さ、2倍以上の背丈とかなりの重量感だ。


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