第24章 暴露された過去
「つまり、俺がこの部屋に入るまでに、CU11からO大陸に攻撃があったと言うものと、地球軸のずれの関係はそこにあると思う」
「じゃあ、プログラミングされた今回のCU11が100年以上の周期で太陽を公転する中で、誤差が生じたと言うのか?」
「その通りだ。だから地軸のズレは、以前イオペタスからT国にレーザー光を発射された事でも説明できる。だが、こちらは非常に正確に施設を破壊した。そこに違いが生じる。イオペタスにおいては、その修正が行われている何等かの知能があると言う事だ。それは人工知能でも生体的知能であろうとも関係は無い」
黙っていたケンシンが、
「私がシリマツ官吏に面会した時に、その声紋やあらゆる事を分析しました。つまり、こう言った事を出来る科学力を、既に人類は有していた事になります。それが今回のCU11においては、誤差を修正出来る機能が無かった、或いは何らかの障害が起きたと見るべきでは?南極に施設がある事は、和良司令官同位体がそこに居ようと居まいが、無関係です。どこに居ようと宇宙空間でさえも制御出来るのですからね」
ここでエイジが言う。
「その原理を、やはりMRを開発された部長はご存じだったのですね?」
「いえ・・私は科学者では無く、技術屋です。つまりそれは原理を完全に知る事よりも、先に動かす物は何なのかを試すのが先でしたので・・」
深くは、やはりケンシンは語らなかった。だが、エイジは、
「和良無線光ケーブルは、恐らくバグをCU11に発生させたのだと思います。その和良式無線光ケーブル網の拠点が、どう考えても無くてはならない。つまり南極の大規模施設が暴かれた時に、それこそO国に眼を向けさせる必要があり、そしてI国に攻撃陣を持って来た。我々はそこを見ておりました。今回の揺動作戦とは、自分達はこの南極の施設を重要なものと見ているぞと言う意思表示ですよね?」
コウタとケンシンは眼を向け合い、苦笑した。
「ふ・・はは・・全部見抜かれていたらしいや。尤も・・俺達の行動は今無線光ケーブル網が無くても有線で見えるもんなあ」
「監視している訳じゃねえぞ?」
「ああ・・分かっている。俺達だって、勝手に行動しているつもりは無い。それこそ組織が崩壊するような真似はしない」
「つまり・・やはり南極に、その和良無線光ケーブル網を何等かの操作する機能があるって言う事になるだろうな」
コウタが頷くと、




