第23章 5人会議の行方
「それは俺もそう感じた。前に聞いた所では、和良司令官が全ての自身の細胞を培養し、復活した所で、それは既に本人にあらず。だって、思考とはそれまでの経験や、積み上げて来た知識によるものだ。それからクリアーされた脳内においては、全く別人だと言う事になるからさ。レンジでそれは消滅していると俺は思っていた」
シンは、
「それは同意見っすよ。だから同位体と表現しているのは、アマン左査のネーミングっすからね。ただ、今回その取り込むと言うのは、シリマツ官吏の記憶媒体を吸収すると言う意味では無いかと」
「そうか・・全くの同一人物でも、自分の意思で動き、誰の眼からも不信感すら抱かされず、黒川主査の下で働いて来た。その行動や記憶が全て吸収と言う形で取り込まれれば、そこに人格と言う別の要素が加味されるわな。そして情報は常に南極にある、この同位体に取り込まれ続けていた?そう感じたが」
「ふふ・・マコト兄。俺もそう考えますよ」
ケンが笑う。
「そこが俺達5人の感覚なんだよ。だからここへ集まって貰った訳だ」
シンが納得したように頷いた。
ランが・・
「じゃあ、主旨はそう言う事で、この5人には他の者には無い第六感と言うのが備わっていると言うんだな?確かに俺はずっと以前から、勿論他の幹部連中にも感じたし、ショウやエイタ、タナベにも感じたよ。勿論ダン副首班にしてもだけどさ。けど、そのパワーと言うか潜在能力は、根本的に違うと思っていた。何故かを説明する事は不可能だし、このメンバーでそんな分析が出来る者も居ないわな?」
「ふ・・それは俺達が感覚だけで走って来たと言っているんだろ?そこに、思考力はどこへ置いて来たっつうんだよ」
ケンが意地悪く突っ込んだ。




