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シンカラス  作者: 白木克之
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第22章 動く、とうとう世界が・・

「ああ・・今地底湖付近にかなりのバリアーと言うか、無数の海底晶洞があるからさ、そこにかなりの小型MRを飛ばしている」

「すると・・O大陸から何等かのアクションがもう始まっていると言う事っすね?」

「南極から、確かに地軸の関係と地殻変動もあって、以前のO大陸との距離は近くなっている。と言うのは、何故かO大陸がかなり南極に近づいたと思われる。昔の地図と今の地図を重ねたら、1000キロも違うんだよな。こんな100年足らずの中で、大陸が1000キロも移動する筈もない。恐らく、地殻変動はもう数百年前から起こっていたんだと言う話だ」

「俺も初耳っす・・そして、そう言う情報は一切俺達に伝わっても来なかった。そうか・・情報隠避の先に和良司令官がやはり居るって事か」

「なんでもかんでも和良司令官にくっつけるのは嫌なんだがな、しかし、必然的にそうなっちまう。つまりもっともっと大局を見ていれば、300年間に渡り、長寿を繋いで来たそんな人間等この地球上には存在しなかった。しかし、それをやり遂げた人間であると言う事と、和良無線光ケーブル網の完成は、何度も議論して来たが、幽霊原子、光素子・・そこまで開発して来た研究部門と、それを完成まで持って行った大天才としての頭脳の成せる業だ。情報収集だけの目的ならば、それに終わらない事を俺達は知っている。故に、部長が開発した宇宙エレベータ方式のMRも生まれた訳だ。応用として、主目的は他にもある。だろう?鉱物を組成そのもの、つまり分子レベルで組み替えちまうような遺伝子操作と同じ金属MIXもあるように、その結晶生成すら自動的に出来ちまうシステムがある。このM国だってそう言う事だと分かってから、俺達はここに居る。だろう?」


 シンの言いたい事は何だろう・・エイジは考えた。そして、


「組成そのものを組み替える科学力は既に、前近代にあった。副首班とA国で探索して来たのは正にそうですが、俺達って・・金属と言えば硬いとか、柔軟性が無いと思っているけど、首班は例えば、それが柔らかい金属の可能性もあると思っているんすか?ふと今の話を聞いている内に思ったので、ストレートに聞きますが」

「おっとっと・・エイジ、君も脳内ぐるぐるが、とても早いよなあ、それにケイジにも感じたが、記憶力・・君も俺と同じくあるようだ。そして分析力も主査と匹敵するような・・はは・・俺は思いつきでそう頭の中にふと浮かんだんだよ。似て非なるものと言う事もあるだろうしな。だって、地球から見れば、今火星と同じ位の距離に居る。そこまで探索MRでは十分な情報は得られない。何も確定したものなど無いんだからさ」

「ですよね・・確定したものなど何も無い。俺達ってずっとそんな感じでやって来ましたからね。でもその無数の蜘蛛の糸を手繰り寄せるような状態で来ましたからね。だって、そんな処理はずっとAIが分析、解析、情報収集を行っていた。人間なんて、もう殆どやる事じゃ無かった時代だったんですからね。だが、それではいけないと危機感を持ったからこそ、日本は優秀な科学者、伝統技術を継承出来る者達を終結させ、分化遺産となる産業資料館を日本の5個所に設置した。しかし、残ったのは俺達が生まれた九州地区だけだった訳ですもんね」


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