第21章 脅威の相手
「いや・・動いていたんだと思う。俺達が気づかなかっただけだったんだろう。しかし、そんな事を気付けって言ってもさ、俺達は18世紀、いやもっと古い時代にやっていたような事をやれと動かされて来た・・野戦活動見たいなと言うより、そのものだった。そんな世界からここまで来たんだぜ?それも、考えて見れば、驚異的なものだと思うし、数々の偶然も、奇跡も重なっていると思う。その都度、俺達は、人類がとっくの昔に、失った・・いや、非科学的だと否定し、廃除して来た第六感とか言う部分において、その危機乗り越えて来た。だってそうじゃないか?あれ程慎重に探索をやって来たM国に、その『龍の巣』を壊さないように、今や、地上で展開して来た小ドーム群を、危険極まりないとも思える防御システムを備えた、ここM国で今過ごしているんだぜ?おかしいわなあ」
シンが苦笑する。それはそうだなと全員が認めたのだった。
「この様子だと、O大陸に何かあると見て注視しなきゃならないだろう」
そう言っている所に、また動きがあった。シンは逆にその報告を聞きながら、ケンシンの部屋に向かった。周囲には騒ぐな、今騒いだ所で自分達はどうにも出来ないからと、逆にリン達に休めと言う指示すら出したのだった。
「慌ただしいですね、しかし我々は監視するだけで実際何をどうするかと言う事も出来ませんから。仮にレーザー銃発射と言う号令も、それは暗に使用するなと言う指令ですよね?勿論」
ケンシンの言葉に、シンは苦笑いしながら
「ええ・・撃った瞬間に、当然今3すくみ、或いは4方向かも知れません。或いは、まだ地球上には隠されたものがあって、我々の想像を逸するものがあるかも知れないですからね、どこから反撃があるのか分からない。だが、イオペタスからは再度攻撃があり、今度は実際にレーザー銃が発射され、正確にT国ドームを粉々に打ち砕きました。これが事実です」
「そうですね、その辺は戦時になれば、一番頼りになるラン班長の独特の感覚が判断をされるのだと存じます」
ケンシンは静かな口調で言った。すぐシンに続けて、
「ところで?本日はどんなご用件でしょうか」
シンは苦笑する。首班たる立場の者が各部署をぶらりと訪問するのに、いちいち理由など不要だ。敢えてケンシンは自分が今取り組んでいる事に対し、集中したかったのでは無いか?雑談なら、聞かないと言うのだろうか・・否、これこそ彼がシンの意図を読んだ発言だったのだ。




