第21章 脅威の相手
「何か、そうなった主因があると言う事ですね?もしかしてイオペタスからの?」
「だとすれば・・途方も無い攻撃力だ。俺達には成す術も無い・・」
シン達は、改めてその脅威を感じて黙するしか無かった。
ケイタは、
「ラン班長や、カムイ副班長はどう言っています?」
「うん、何時も言うが、超近代戦争とは、もう一瞬なんだよな。レーザー光等の破壊力を高めた事は、もう核爆弾からの脱却と新たな次元での闘いになった。電磁パルス攻撃なんて言うのは、もう20世紀頃からの話であって、それをやれば、同じく自国も破壊させる事になる。だから抑止力なんて言うが、そんな馬鹿げた事だと言い尽くして来たが、もはやどこかが弱力化すれば飲み込まれる。既に世界は3つないし、5つの大国に支配されている状態だった。だから、宇宙へ進出した国もあるし、裏同盟なんて日本とM国だけじゃ無い。色んな国と取りあえずは攻撃し合わないように提携していた訳だ。盟約なんかじゃない。それこそこちらもやればやるぞと言う契約だ」
「そちらは、はい、分かっては居るんですが・・」
「ああ・・そうだったな、エイタは俺と同じ、記憶力が頭抜けているもんな」
「え・・そうだったのか、まあ、大体今組織で中心に居るような者は、大概そうだがな」
リンも頷いた。
「そこから先さ、言いたかったのはさ。これが攻撃だとすれば、T国ドームを破壊したミッションの次には、T国そのものを壊滅させる作戦が含まれると言う事だ。だが、見ての通りもうT国はとっくに壊滅している。地球上殆どの大地もな。そこで俺の言いたい事は分かるだろう?エイタ」
「つまり・・イオペタスには監視レーダーが無いと言う事と、現状を把握する情報が得られない・・或いは分析が出来ないと言う事っすか?」
「ふ・・その通りと俺は見た。言っておく、俺はそう思っただけの事だ。それを裏付けるものは無いにしても、イオペタスを実際に指揮し、そこに情報を与えるAIが既に無いと言う事だ。これはイオペタスが、決められた時間とそのミッションの中で自動的に組まれた行動になると言う事だ」
「それも危ない話っすね・・じゃあ、他の国にも仕掛けるでしょう」
「うん、そうだな。だから、地球上どこへ居ても大丈夫な場所は無いと言う事だが、それにしても南極のペンギンが突然現れ、空を飛ぶ・・勿論海の中も泳ぐだろうし、その追跡も当然MRがしているけどさ」
「そこは、もう無言の了解域なんすね」
「ああ・・」
シンは短く答えた。そのペンギンが何かの意図を持ち、どこへ向かうかを注視していると言うのだ。




