第21章 脅威の相手
「そんな時代だったと言いたい。裏同盟のM国と日本には伝統があった。だから結びつきも強かったし、本来大陸のように、隣の者を敵だと言うような風土じゃなかった。ただ、戦略とその闘いの時代背景には、共通のものも多かったと言う事だ」
「はあ・・」
ますます混迷を深めるリンとの会話だが、
「まあ、そこは良い。無理に理解して貰わなくてもよ。つまり、大国に寄りすがり、利用する事しか出来ない風土のある土地柄と、その地にしがみついてでも守ろうとする意識の違いだ。そこが面従腹背・・つまり、利用すべきは利用してやれと言う事さ。F国とA国の同盟なんてそんな理由だとすれば、何時でもA国を裏切る・・そんなこの国ならではの戦略があった・と、俺は見る」
「成程・・じゃあ、AIはその機知と言う部分を、今分析している訳っすか」
「その前に、F国にはA国にあった中枢部なんて言う情報は与えて居ないだろ?そんな中枢部の所在地なんて、どこにも知らせては居ない筈。そうだろう?そこを同盟だから、なんでもかんでも筒抜けと言う発想そのものが可笑しいんだよ」
「あ・・」
エイタは、リンの分析がすごく自然で理路整然としていると感じた。
「だろ?エイタ、俺達は第14班でお互いに特に首班と俺は、アイコンタクトを取って来た。それが第14班の代名詞とも言うべきものだが、その実俺達は隠密班出身なんだよ、正当な道を歩んで来たお前には、分からない部分だろうがな、何かそうすべきものを首班とは嗅ぎ取っていたんだよ。反面、補佐のように何でもかんでも言う奴は、別のコンタクトを取ってやっていた。何か、感じるものがあるか?お前が俺達と何か通じるものがあるとすれば、そこだと思う」
「やっぱり・・今日思い切って話をして良かったっす」
「はあん?」
リンは首を傾げるのだった。そこへ、シンがまた来室して来た。あちこちの部署と相変わらずコンタクトを取り、現状把握に努めているようだ。この場合、実際その対峙している本人達に状況を確かめるのが一番だと思うのだろうし、その辺はリンも承知している。
「何か、動きが?」
シンが問う。今はデータのオープンを停止している。全て口頭伝達になっているので、こうなるのだ。
「ああ・・ペンギンがいきなり現れ、空を飛んだぜ」
「ほうっつ!もう・・何でも有りだな・・ふふ。いちいち驚いて居られねえわ」
「と、言うと他にも何かあったか?」
勘の鋭いリンは聞く。




