決別 12名の戦士達
「驚く程の情報を持っているね、ラン君。多分、そうだったんだろう・・では、君は何の目的でそんな事を調べて居た?」
「決まっているじゃないですか、俺が武器マニアだからっす」
「な・・に」
エライ班長の眼が点になった。あははは・・聞いていたシンが笑う。ショウもカンジも笑った。
「あははは・・おいおい・・ラン。お前、全部公私をごっちゃまぜにして喋っているぞ?今、エライ班長以下この探索チームは、色んな事を検証しながら、次を考えている。お前は、良く聞いたら、自分がこれを使用したいって、思いっきり叫んでいるじゃないか」
「え・あは・・」
エライ班長が苦笑いになる。その表情が和らいだ。
「ふふふ・・今までのチームだったら、間違い無く君の言葉は規律違反だ。だが、このチームは、自由を唱えると誓った。君の論点がずれては居ても、もしこの武器の行方を組織が探しているならば、やはり第2ドームへどうにか辿り着きたいと言う思いからだろう。即ち、こう言う非常に強力な武器があれば、外敵にも対処出来る筈。しかし、もうショウ君発案の爆弾は、製造されているだろう。つまり、この武器など遥かに凌駕するような、人類が再び持ってはいけない殺人武器だ。しかし、これは、オオコウモリや他外敵を殺傷するものだけどね」
「そんなに違ってはいないと思いますか?それなら」
「ああ・・私も今の話を聞いて、そう思い始めた所だ。一端今回は後任実動班は引いた。しかし、今度は我々が既に全滅したと仮定して、この岩山なんかはすぐに発見するだろう。そうなると、武器庫から第2通路は閉鎖しないといけないね。まず、そこだろう?ラン君、サイレント付きの銃は、その後に試し撃ちをすべきじゃないのかね?」
「あ・はい、済みません」
ランが素直に認めた。これが戦略なのだ。個人感を優先してはいけない。今は団体生活なのだし、一連の組織なのだから。
そのランに、ショウはこっそり一番使えそうな小銃を渡し、使い方を説明してくれた。ただ撃つだけでは駄目なのだ。命中させてこそ、武器と言うものは生きるのだから。
「それにしても、ショウやカンジは良く色んな事を知っているよなあ、俺より詳しいじゃん」
ぷ・・とカンジが吹きそうになった。ショウが、
「あのな、ラン。お前のようなマニアも貴重だけどさ、俺とカンジは、所謂同じカリキュラムを受講をしている。尤も、複数ある講義の一つの中で、それ以外にカンジが習った事は知らない。お前だってそうだろう?情報管理局で色々調べただろうが、そんな構造的なデータは無いのさ。けど、俺達は武具と言うものを扱って来た。その中に、こう言うものがあったと言う知識だけは持っていたと言う事さ。良いか、俺達は一目見たら、武具に関してはどう言う具合に操作するのか位はすぐ分かるのさ」
「そう・・だったのか」