第21章 脅威の相手
「そりゃ・・自分を再生させたのが、AIじゃ無いのなら、人造人間であろうと何人も居るのでは?だけど、ロボット同然だろうがな」
「ふうん・・和良司令官があの時消えたレンジであるなら、傍には何者も居る必要は無いと思ったがなあ・・確かに人造人間と言う言葉は好きじゃないが、他に良い言葉も見つからないしな」
「俺が・・今確認しているんだぜ?ほら」
リンがシンにその対象を見せた。
「お・・やっぱりそうだな。人らしき存在はあるようだ」
「まあ・・あくまで人言いたく無いのなら、俺も口は挟まねえけどさ。レーザーポイント照射はどうやら気づいていないようだ。イオペタスに注目している様子は分かる。どうやらCU11と連動しているように見える」
「成程・・同型人造人間居る事も分かった。それも130年の時を経て熟成されたのかな。単細胞がそこまで育つ時間が待てなくて、別の方法を模索していた事も分かって来たよ」
「首班・・少しお休みになられたら?ここまでもの凄いデータ量をいっぺんに処理し、指示も同時進行で多岐に渡っています。幾ら常人離れをされていても、やはり生身の人間なんですからね、こちらは」
「あ・・主査が一番良い言葉を発せられたようです。首班、どうかお休みください。私と主査が幹部連中と会議を継続しますので。あちらも情報は既に取得されたでしょうし、副首班が居られるので・・」
ケンシンの言葉にシンは、この部屋でリンの横で寝るよと言い、2人はその部屋を出た。
「リン、何かあれば何時でも起こせ」
「おう、こう言う光景は何度もあった。心配するな、ケイジを今補佐として寄越せと言ってある。俺も1人じゃ持たないからさ」
「分かった・・任せた」
シンはすぐ寝息を立てるのだった。
「いつも思うが・・俺達はシンに生かされて来たって言う事をもっと知るべきだ」
リンは、ぽつっと言う。この男の類まれなる記憶力と、判断力が無かったら、とっくに幹部連中の半分はこの世に存在しなかっただろう・・否、狂気の頭白系のオオコウモリにやられていた筈だ。ケンが、M国の大地に再び犬軍団を引き連れ戻って来た。A国が危険と言われている以上、そこで犬達を配置して行く訳にいかないだろうし、既にリン、マコトからも和良司令官同位体は、微塵も容赦なしに今度は組織の壊滅に牙を向けると言う事だ。ランが、先制攻撃をするかと勇ましい。確かに確実にそうならばランの言う事は正しい。しかし、あくまで『・・だろう』と言う予測に過ぎないのだ。かと言って、シンの予測が今まで大きく外れた事は無かった。そこまでシリマツ官吏の脳内に埋め込まれていたAICと言うマイクロチップはランが解析し、ショウが整然とデータ化した。はっきりと、レンジ本体を滅したシンに対する報復を示唆してあったと言う。方法は分からないが・・130年の時を経て、これこそ新人類の地球上における誕生だと言うのだろうか。
隣の部屋でアマンは言う。




