第21章 脅威の相手
「もう一つ・・言うぞ?電磁パルス爆裂とは、レーザー砲の炸裂だった。確かに太陽フレアによる大規模な磁気嵐が襲った。地球大事変の時と同じくしてさ。その時AIは誤った信号を発信した。そのどさくさに紛れてレンジが、A国の月基地からレーザー砲を放ったのも事実。だが、その後の攻撃は、F国が基地化するイオペタスから発射されたんだよ。一瞬で大半の国の主要基地は破壊された。また繰り返しそのレーザー砲を地球の自転とイオペタスの公転軌道が重なった時に20年間に渡り、攻撃が成された。地球の大地は粉々になり、その前の磁気嵐・太陽風電磁パルスにより生命体の悉くは失われた。それを死守したのがレンジなんだよ、だから日本は助かったんだ」
「じゃあ、反面巨悪じゃねえ部分もあった?」
「いや、やっぱり巨悪になっちまう。それだけ可能ならイオペタスを潰す事は可能だった筈。で・・まだ続きがある。イオペタスに更に仕込んであったのさ。自分の同位体をさ・・」
「おいーーーっつ・・・・」
彼らは脱力するしか無かったのだ。
「イオペタスはAI管理され、何等かの自家発電装置を持つ。そのプログラム通りなら、地球の特にA国、月基地を攻撃する。副首班・・A国基地周辺には、被膜処置はしているが、何しろ、火星からあっと言う間にレーザー砲は届く。主要機器は地下内にあるとは言え、破壊力は計り知れない。かなりの機材は移動してM国に持ち込んではいるが、危ない場所の№1になっている。だから犬達も移動させた」
「ああ・・急遽移動の命令は届いたからな、その辺はやっている。あ・・ランが監視しているのは、その為か」
「勿論だ。エイタ、カムイ、リン、隊長等何時でもレーザー砲の発射気配があれば、こちらも撃つ。当然だろう?」
「じゃあ、南極にレーザーポイントを撃ったのは何故だ?こちらに重要な火器はあるのかよ」
「分からない。しかし、和良無線光ケーブルを創設した者なら、どこからでも遠隔操作は出来るだろう?それに俺達が自分にとって危険人物だと分かっているんだからさ、当然時廃除の論理で来るだろう?まずは機先を制したんだよ、動くなとな」
「お前・・そこまで考えて・・」
ダンやコウタが絶句した。
「データを見せてくれよ」
コウタが言う。シンは即座に、




