第20章 脅威がついに
「それこそ、シリマツ官吏に今の会話の録音を送ってやれば?どうも・・南極に行った話からも、I国ルートじゃねえだろ?A国から南米ルートだろうがよ。それをいかにも沿う言うルートがあったかのように伝えるなんて、本人は多分、真っ暗な中でそんなルートなんて知らないと思うからさ」
「はは・・何時もの、擬情報を混ぜて・・」
キョウが苦笑いをする。
「そうするか・・大体どこまで知り得ていたかどうかは分からないが、確実に南極である実験の結果を検証する目的があった、と同時に、ここにもどこかの国の地下基地があったと言う事だよな?少なくても日本では無い」
シンがそう言うと、ダンは、
「何故言い切れる?日本では無い基地の存在が?なのに、そこに地下通信路の存在があるのかよ?」
「地下通信路と誰が言った?それは誰も検証していないんだがな」
「いやいや・・MRが探索しているから言える話では?」
二人の掛け合いが面白い。わざとか?或いは、ダンもシンも挑発し合っているのだろうか。
「MRがこの通信路を発見する以前に、勿論地球周回上あらゆる場所を撮影しているし、今もデータは集めているさ。でも、海底トンネルの掘削技術は日本が一番だと思っていただろう?そして、そう教わっても来たからな」
「ああ・・そう聞いているが、じゃあ他にもそう言う分野で得意な国があったと言うのかよ」
「まあ・・お前との話より先に、全員!今からシリマツ官吏の所に壁に画像を流す。恐らく何か思う部分があって、もんもんとした数日だった筈。その表情変化は画像分析もするが、お前達も良く観察しろよ、良いな!今回は、会話が無しだ。全く何を言おうが無視をするからさ」
「おう・・」
シンの考えなど他の者達に分かる筈も無かった。しかし、何かのヒントをシンが掴んだらしいと言う事だけは何となく伝わる。何とも、もどかしい・・しかし、これが何も情報伝達の無い時代の中で、試行錯誤しながらもかろうじて、先代の知識を集めながら、動かせるものは動かし、色んな考えをまとめ上げてここまでやって来たのは、シンの類まれなる才能だと言える。今、幹部5名と、アマンと言う超優秀な女性も加わり、実践にも結果を残して来た飛びぬけた才能を持つラン達も居る。
画像は、いきなりぼんやりとでもしていたのだろう、シリマツ官吏の部屋に5D画像で出現した。




