第19章 進むべき方向
「副首班に聞きたい・・俺をラン班長が月の探索で発見したレーザーこそは、レーダーともなれるものでは無いのか?俺は、そっちの方面には少し疎いから聞くが・・」
「レーザー銃の応用か・・考えないでも無かったが、確かにこれはカムイ副長も言っていたが、周波数、或いは無線光ケーブルと似たようなもので、その原子数を減らす事で幽霊原子のようになるのでは?と言う発想だ。だが、この時代、器具、また我々が持ち得る人力での科学力に、そんなものが開発出来る筈も無いと、俺は却下した」
「まさに・・今副首班が言われる言葉が、私にMR素材の改良を躊躇させるものです」
「そうですか・・部長もそこまで思われていたんですね」
シンは会議をここで切った。しかし、非常に重要な可能性がやっとここで出て来た。シン達以外の地球人類が、この宇宙に居る可能性が出て来たと言うのだ。それは、考えないでも無かったが、衛星を動かせる程の科学力を保持した国があったのならば、それこそ、もう地球全ての国を圧倒しただろう。それだけの科学力を持ち得ているのだ。しかし、ここでも和良無線光ケーブル網と、電磁パルス爆裂が何故起こったのかと言う疑問が、再び頭の中にもたげて来るのであった。




