表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シンカラス  作者: 白木克之
1552/1722

第18章 激震

「お・・ショウ・・そこで止めてくれ」


 シンが手を挙げた。ここはシンが全て指示すると全員に告げてある。判断力が一番優れた者が下すべきだろうと、それは全員も賛同していた。


「はい・・」


 こう言う時は、部下の立場であるショウは敬語で返事をする。


「これだ・・」


 リンが小さく呟いた。『対象』は色が赤黒くなって行き、次第に小刻みに揺れ始めた。リンが目撃した時、この『対象』はまるで瞬間移動をするが如き、左右・上下にその位置を変えたが、この時は、周囲の空気そのものが揺れて陽炎のように見えたのである。


「うお・・何か空間そのものが変異でもするように歪みが見える」

「そうだな・・これは細かい振動波が空中の全てを揺り動かしているようだ。リンが遭遇したのは、狭い晶洞内の空間、なら、それを増幅したように見えても不思議では無い」

「そうだよなあ・・ん?」


 その時ダンが注視した方向に、蝙蝠がむくっと起き上がった。


「ああっ!完全に死体となり、冷凍保存されていた蝙蝠が動き始めた」


 全員が驚いた。更に、スズメ蜂も飛翔し始めたのだ。


「まさか・・と思う部分もあったが、まさしく、これこそ究極の再生生物・・いや、生物なんかじゃない、『第4の異形体対象』なんだ」


 どう表現して良いのかは分からない。しかし、完全に死体は動き始めたのだった。


「止めろ・・ショウ」


 シンが手を挙げると、『対象』の動きは止まったが、蝙蝠とスズメ蜂は飛び回っていた。


「リンのホーミー増幅音波を・・」


 次にシンが合図をすると、両方の生体は床に落ちた。死んだのでは無い。この対象は、死んでなんか居なかったのだ。そして何度でも復活するのだ。それが、分かったのである。

 シン達は、とうとうこの日本・M国のシステムそのものを理解するのだった。しかし、彼等の独自攻撃が、この『対象』を動けなくする事も有効だと確信出来た実験であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ