第18章 激震
「おう!ケン・・久しぶりだな。『戒』も、はは・・お前はすっかり元気になったが、ケンと片時も離れないらしいじゃないか」
シンが眼を細めた。体の大きな『戒』は大型犬種だ。シェパードの血を引くが、体はグレートデンと言う犬種とほぼ同じ位ある。その辺の野犬などその姿を見ただけでも尾を巻き、近寄っては来ない。その為孤高を貫いても来たが、圧倒的にその力もそうだが知能も高いので、普通の犬種ではこの『戒』の相手には到底ならない。『愁』と言う伴侶を得たが、その犬もやはり普通の犬種では無かった。つまり・・この犬達には、イリジウムが組み込まれているのである。だが、不死身では無いし、再生細胞もそれ程活発では無いのだ。
ケンは、彼独自に調べていた事もあって、この本部に久しぶりに戻って来た訳だが、今シンがどうしようかと考えている会議について、こう言った。
「そこは補佐だろう。いつもべらべら自分の研究成果を自慢そうに言う奴が、今回は本当に必要最小限の事しか喋っていない。確かにサーバに落としたデータには長文の論文が掲載されているが、これは専門家ならすぐ理解出来るが、一般の者には難解だ」
「私もそう思いますが・・しかし、それだけ複雑なDNA解析と、いかにその研究母体のデータが秘匿されていて、分からない部分が多いと思います。その論文を完成させるには、やはりM国中枢に隠されている何かの部分を入手する必要があると存じます」
「うん・・でもさ、その内容よりも、何故振動波を発するその対象を停止させ、且つ回収出来たかのいきさつだよ、良くそんなプロセスより結果だと言うが、脈路も分からないものに手を出せないじゃないか」
「確かにな・・それはケンの言う通りだ」
「俺は、『戒』を襲ったキラービーが今もなお潜んでいる状態だし、蝙蝠群もそうだけどさ、明らかにM国防御システムの始動とは、どこかにこの対象のような端末があり、それぞれの役目を果たしているんじゃないかと思うんだよ」
ケンは確かに重要な部分を感じているようだ。
3人はそのまま座り、スクリーンに様々な情報を展開させて行く。そして必要な情報のみ、アマンが幹部全員に見られるように操作し始めた。つまり、この肝部分の会話こそが、今どうしようかの根幹部分になると思ったのだろう。シンも許可しながら、自分の解説を加えて話し出した。ダンは、何故か国後まで行っている。理由はシンしか知らない。
「ケン・・確かに『龍の巣』と呼ばれるこのM国地下空間は巨大だ。ひょっとしたら、四国一円がすっぽり入っちまう程だ。だから、αMRなど小型機種が365日、24時間フル稼働で飛び回って情報収集し、データベースも今の瞬間も積み上がっている。更に、和良無線光ケーブル網ですら遮断してしまう、厚い磁硫鉄鉱の金属層は幾重にも折り重なっていて、まだまだ解明出来ていない部分も大きい。全ての晶洞内、洞穴内を探査する訳にいかないからな。ただ、外堀を埋めつつ、その遮断層の大きさがほぼ分かって来た所だ。だが、塔付近の空間には何か別のエラーが起きるものがあり、それもリンが受けた振動波、或いは電磁波では無いかと調べている途中だ。隊長からも相談が入ったが、計測機器においても未だに十分には分かっていない。と、言うのが現状だ。一方、リンが受けた超音波では無い音周域のものは、微弱な電磁波では無いかと言う事で、それが発生している数か所からの場所を特定出来た。つまり、音源は人型対象では無く、正確には3個所の発生場所があった訳だ」
「成程・・つまりそれはレーザー光のようなものか?光子=電磁波とも言われている。一言では言いきれない程その波の種別は、多くあるとは知っているが」
ケンが言うと、アマンが、




