第17章 接近する
「その・・今言いましたよね?共鳴なんだと思うんすよ。その振動とは、この密閉された空間だけのものだった。要するに、最初にキラービー・・いや・・もっと前に大蛇。恐竜が襲って来たのも、その信号が乱されたから。今回の蝙蝠群もそうだ。共通している何かがあるでしょう?禁断の地に一歩足を踏み入れた・・つまり、攻撃では無く、防御が開始されたと言う事に他なりません。これ想像じゃ無いっすよ?どう思われますか?」
「逆に聞いて来たか・・いや、改めて言われると、確かにそうなんだよな」
ダンが認めた。ランもそう思っていたようだ。
「つまり、M国は本来地球大戦争時における最強の砦?防御施設だったと言うのかい?」
「俺は、そう思っています。あ・・これは想像の領域っすけど」
「いや・・その論説で行くと、今言う流れは全て導かれる。つまり、ここを支配しているものは、鉱物組成による変異なる第3・・いや、第4の対象と言う事になっちまう」
「とうとう・・そこまで持って来ましたね。では・・その意思なるものは、どこにあるのでしょうか?どんな対象であれ、そのコマンドを発するまた支配的中心部分、根幹がある筈。今その対象を特定したとしても、電磁パルス爆裂後100年以上、このシステムは無人で動いていた事になりませんか?」
アマンの言葉に、ケイジは驚き、
「うわあ・・もっと話を進めちまいましたね。いや・・そうなる事を次に言おうとはしたけど」
「つまり・・このM国には、もはや人類が居ない事を証明した発言になるんだよな」
ダンが少しため息混じりに言うと、シンは黙っているが小さく頷いた。と・・なると、このシステムと言うのは何なのだろうか・・。
「ええ・・どう考えても、感覚的にリン班長が一番分かっておられるように、意思が無いんですよね、無機質のような連動波形では無かったのでしょうか」
「おいおい・・連動波形と言う言葉すら、今突然出て来た。お前が優秀な者だとはもう誰もが知っているが、その連動波形の事をもう少し詳しく説明しろよ」
ダンが主導権をどうやら取っているようだ。そこへ
「それは、俺が説明しよう」
いきなり会話に割り込んで来たのは、キョウだった。この所非常に影が薄くなっているような印象を受けるが、そうでは無い研究部門の重要幹部だ。




