第16章 危ない!
「うん、例えば、等間隔の距離は図ったように、80センチだ。縦横左右高さも、まるでロボットのような動きで、ぶれも無い。まずは、その点であり、解析したデータもある。また、これは超音波発信で、もともとこの狭い洞窟内から外の世界には出た事が無いようだと見ている。これは確かに根拠は無い。しかし、この動きは雑音が多い外の世界では通じないと思える」
「ふむ・・分析・機械的、理路整然的にやったようだが、もし機械的なコントローラーの指示に従い動いていると言う考えもあるがどうだ?」
「まさしく・・それも考えていた事だ」
「成程・・ショウ班長はあらゆる想定をしている訳だが、今の規則性は非常に興味があるね」
「おい、興味が有る無しの話じゃねえだろうがよ、補佐」
ダンが突っ込んだ。
「おっと・・相変わらず、間髪を入れずに、突っ込みもきついねえ」
「ここは会議だ。もう雑談の場は切り替わっているんだよ、その辺の流れを理解しろって言う事だ。勿論、今ショウ班長が言う事には裏付けもあっての話だ。それに対して、補佐はその論そのものに対して、あからさまにその論の醸成を確かめようとする意図がありありだった。お前こそ、先に披露しろ」
コウタの顔色が変わった。ダンは厳しい顔で容赦しなかった。
「そこまで言うなら・・だが、この場は不確定な予測や分析途中の話だ。それに則って俺も言葉を発しているつもりだ」
「良いから・・言って見ろ」
ダンの顔は厳しかった。その理由はこの後の発表で明らかになる。
「まあ・・今のショウ班長の言葉を待って言うような形になってしまったが、今回の分析や実際M国地底湖内においても、調査して来たものと、以前から自分の研究テーマである生物学、生態学、生物工学分野、遺伝子工学分野にも被るが、その細胞変異と言うものにどうしても突き当たるんだよ。そこで機械的と言う表現になってしまうんだが、定向進化がある。それは自然の環境的素因が大であるが、人為的な部分でつまり交配とか、MIXとかミトコンドリア・DNAまでの操作による目的上生体になる部分だ」
「それは、生体兵器の事も言っているんだな?」
「勿論、人間も含めてな、特に近世代までのそれこそ生体科学分野になる」
「なら、補佐はある程度、今回のような出来事は予見出来たかも知れないと?」
「待て・・待てよ・・そこまで誰が予見出来るだろうか?そして、その為には綿密な今の瞬間にもMRの探査が進行しているんだぜ?そのキャッチすら無かった生物が現れたんだ」
「それは、そうだな・・誰もそこまで分かる筈もない。だが、補佐の立場で自分が確定していない情報だとしても、もっと持っている情報はオープンにしても良かったのでは?」
「あれ・・?それは俺を責めている?」
コウタの顔色が変わった。今、そう言う主旨の会議なのだろうかと言いたいのだろう。ショウはすぐ、




