第16章 危ない!
マコトも何となくそんな感じは受けていたし、最初からメイ博士は大丈夫だと言っていたし・・。
「じゃ、検証しましょう。今のタイミングでのメイ博士の話も凄く良かった。分かりやすい話だな、ふふ、有難う、メイ博士」
シンがにこりとすると、少し表情を余り変えないメイ博士がにこりと返した。シンはメイ博士の心も動かしているのだ。何者も、シンが持つこの不思議な人間的魅力に染まりつつある。だからシンワールドだとも形容されているのである。
「では・・よろしいですか?画像が相当鮮明になったようです。ショウ班長が加工プログラムを修正してくれました。相当レベルアップされた映像だと思います、私も見ながらご説明する事になりますが・・他の幹部連中の皆様、よろしいですか?リモートに切り替えますよ」
「おう!はい!」
その声と同時に、円形状に幹部が中央の3M程ある球状の360度パノラマを見る形で、そこに臨場しているように現れた。この辺の6D映像も以前からあったものだが、より鮮明さが増している。
「ほう・・」
操作するケンシンが声を挙げる。群がる蝙蝠群が実に規則正しい隊列をしている事だった。最初に気づいたのはもう一人、マコトだった。
「まるで・・軍隊のようだな・・」
その言葉にランも続いた。
「確かに、整然とあの狭い空間においても互いに等間隔を保っているようだ」
「まるで機械のような?」
その言葉を発したのは、ショウだった。
「機械ってか・・だって、生体検査をやってるじゃないか」
突っ込んだのはコウタだ。
「でも、ここまで分析もして来て、生体的な事はある程度分かっている。確かに生物そのものに間違いは無いとしても、この間隔をどう見る?」
「問いかけかい?でも、機械のようだと形容する君の根拠を示すのが先だろう?」
コウタは弁舌巧者だ。打てば響くように再反論をして来た。そこはシン達も黙って聞いている。




