第16章 危ない!
「おい・・でも、首班がそう言うのなら、ずばっと話してくれよカンジ」
「はは・・ずばっとかあ・・でも、先に言う。リンは大丈夫だ、これだけは先に診られたメイ博士が言うように、肉体的なダメージより精神的ダメージだと思うし、その診立て通りだろう。俺にはその一部が感じられた。念写は、現実主義者の副首班には、にわかに信じられない話だろうが、マコト隊長の方が何となく俺の言葉には理解が出来ると思う」
「え・・俺か?」
マコトがきょとんとする。
「ええ・・でも、隊長はこれから進もうと思っているでしょう?今はストップしたら良いと思いますが・・」
「え・・ええっつ!」
何も事情を知らないカンジにずばっと言われて、シン達もびっくりした。
「だから、理由は定かなものでは無いにしろ、リンが受けたもの、凄い脳内伝達データ量は、それを整理するのに時間が掛かると言う事っす。そして、部長・・これは鉱物的な何かっすか?少なくても、動物的組成とは違う何かに俺は見えたんす。画像を展開しても良いか?首班」
「ああ・・、カンジはそうするだろうと思い、呼んだんだよ。得体の知れないものがこのM国には無数にある。しかし、どうしても不可思議動物や、膨大な数の昆虫、動物群には無機質なものを感じていた。その部分と今回の蝙蝠の件も繋がるのかと思っている所に、鉱物変異の話も今さっきしていた所だ」
「うわ・・もう科学・化学分野を完全に飛び越えましたね」
ケンシンが唸った。
「何やら、俺の話とこの御三方の言わんとする事が繋がりそうっすね」
彼がにやりとすると、
「おい、ここには4人が居るが・・」
マコトが首を捻ると、
「ふふ・・隊長はこちら側の人間っすよ、つまり霊感・ヤマ勘の部類のね。で・・その能力たるや、これは自然発生したものでも無さそうだと俺は思い始めているんすよ」
「え・・?」
マコトが再び絶句する。




