第15章 恐るべき計画
「あのターミナルと言うか・・12通信路・・ＤＲと呼んでいるが、そのＡＭ６時方向の通信路は自然崩壊していた。それはどう見ても人為的操作も無く、ごく自然な崩れ方であり危険性もあるので、その後も調査はしていなかった。だが、他11ＤＲは徹底して調査をしていて、継続中でもあるがそこだけは除外しているんだよ」
「仰る意味が・・突然脈路の無い話に切り替わったので、お答えしようも御座いません」
ますますアマンは困惑した。
「ふふ・・君は俺とこう言う話には慣れていないからね、でも今からいう事は、君の質問に恐らく答えられるかも知れないと思って言うんだ。つまりさ、その通信路をリンに調査して貰えるように秘密指令をして派遣した。隊長は別ミッションだけど、これも関連性をもっているし、今回もその調査のお陰で幹部会議にも間に合ったからね」
「そのＡＭ６ＤＲに何かあると言う話なのですね？つまり蝙蝠の存在が」
「そう・・その通り。だが、俺達が本当にＭ国地底湖の存在と『龍の巣』と呼ばれる巨大な地下空間を発見し、間違いなくここがＭ国中枢部であると確信しているにも関わらず、探索は今も小型ＭＲのみの調査だ。それは、言わずとも非常に不気味としか言えない謎だらけの仕掛けが、ここにはある。誰もが感じたあの危険な匂いは、言葉では言えないものだがね」
「確かに・・現地を全員のメンバーは体験しておりますものね、今はケイジ隊員も加わり・・蜂の時にも、非常に緊迫しました」
「それはあの蝙蝠群の時にもね・・今ではＳＲと正式に呼ぶ事に会議で決まったが、それに守られていなけりゃ、生身だとあの速度でぶつかって来られれば、一発で俺達はアウトだった」
「むしろ、オオコウモリより速いのではありませんか？」
「ははあ・・サンプルを貰ったからそう判断したんだね」
シンの声音は落ち着いていた。
「実際には見ておりませんものね、ふふふ」
「いや・・あながち君の判断は間違っていないのかも。あの時狭い地下通信路で少なくても俺達は120キロ以上の速度で移動していた。そこに追いつき、相当なスピードでぶつかったんだからね。速度は相当出ていたと思って違いない。その後160キロまで上げてどうにか逃れた。その個体を小型・・これは正式に今後はＭＲと呼ぶ。短い呼び方の方が言いやすいし、現に俺達は役職名にしたり、名前も短くして呼び合っているからね、それで後からサンプル採取をした」
「あら・・じゃあリン班長が何故その蝙蝠のサンプルをお持ちなのでしょう？」
「うん・・そこを聞くつもりが、先に君に聞かれたね・・」
シンも戸惑っているようだ。
「首班もご存じでは無い・・じゃあ、その時のサンプルは全て室長の所にあるのですね？」
「そうなんだ・・リンがそこから入手していないとなると、どこかで発見したのかも知れないが・・」
「おかしいわ・・リン班長なら、そう言う隠し事は一切されない筈・・」
「うん・・そうだよな。一切あれから蝙蝠は姿を見せないと言うのに」
そこに話し合っていて気付いた２人だった。
