表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シンカラス  作者: 白木克之
1468/1722

第15章 恐るべき計画

「終わったか・・測定完了だけど、何をびっくりした顔をしているんだい?」


 リンが聞く。


「凄い音域をお持ちだと思いましたが、低音域も可能で、下が80Hz・・上がまだ発音の度合いにも・例えばサ行であるとか特定の音であれば、5000Hzを軽く超えて居られるんですね。既に録音しましたので、リン班長には声を発して頂く必要はなくなりました」

「おいおい・・何だよ、それ」


 リンの眼が点になり、苦笑した。


「録音しましたから、これを周囲防音のケースに入れて、この音域をテスト出来るからです。一緒に見ましょう」

「あ・うん」


アマンは、全ての言動においてそつが無く、そして具体的であった。シンが深く信頼の念を置いている事が良く分かる。

 彼女は備え付けてある機器は、各基地がほぼ同じ物である事を承知しているので、それは実にスムーズな作業でリンに見せている。


「鉱物の振動によるオングストローム実験は、すでにどの領域までが変化するのか、データは取ってありますので、データベースから取り出す事は可能です。見られますか?」

「いや・・それは恐らく君が、シークレットキーを持っているんだろう、俺は遠慮しておくよ」

「では・・純粋なリン班長の音域よるテストを、今から、一音ずつ開始いたします。変化があれば、そこでチェックを致します」

「あ・・質問。その場合、変異は開始されないのかい?」

「はい。変化があると言う事と変異を開始すると言う事は直接的では無いのです。それは複数の刺激を同時に与える事になります。その場合の刺激は、もう一定の物質だけと言う結論が出ています」

「成程・・確かにここでテストをやれる事では無いわな」

「はい、ここで重要なのは、変化するかどうかのテストなので」

「うん、分かった」


 こうしてテストする中で、再びアマンが驚いた事にリンの声音と言うかその音量自体が、この細胞に何等かの刺激を与えると言う事であった。アマンは、


「私は・・今想定外の現象を見てただただ驚きを隠せないでいます。リン班長の音域全てに細胞は反応すると言う事が今分かった所です」

「え・・」


 驚くリンにアマンは、


「大変申し訳無いのですが、リン班長と特別コンタクトが取れるでしょうか?」

「あ・・それは構わないけどさ」


 きょとんとするリンだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ