第15章 恐るべき計画
5人プラス1会議は、急遽開かれた。何故会議開催が北海道基地内なんだと誰もが思った。シンは他の者は今回参加させていない。声が掛かったのは、勿論副首班のダン、補佐のコウタ、部長のケンシン、室長のキョウ、そして、リンが呼ばれている。シン以外の5人は遠距離の急遽の集合に面食らっていたのだった。
ざわざわとシンを除く5人は、突如のそれもリモート会議では無い、一同が眼の前で会する招集に面食らっていた。シンはまだ姿を見せていなかったからだ。
「おい、招集した本人がまだ姿を見せていないじゃないか」
「時間は正確の筈だろ?」
「いや、明確に何時集合だとは聞いては居ないさ、だってA国が一番遠いだろ?その副首班が一番ってどうよ、それ」
「早く到着して、いちゃもんをつけるのかよ、室長」
「まあまあ、皆さん。時間は確かに決められて無かった訳ですから、ここは待とうではありませんか、と言う私も慌てて飛んで来ました。皆さんと実際に語る会議とは、やはり重要度もあるのでは無いでしょうか、ね、リン班長」
おっと言う顔で、何故ここへリンが居るのか不思議そうな顔をする面々だ。リンが何か発表するのだとそれは分ったが・・。
「おい・・リン、お前は首班に呼ばれてここに居る。何で呼ばれたのかは、お前も何となく分かっているんじゃねえのか?首班の到着が遅いから、間が持たない。何か言って見ろや」
ダンが言う。リンは苦笑い。
「何だよ・・首班が居ないのに、会議をおっぱじめちまうって言うのかよ」
「そうじゃない、何が主題なのかを知れば、首班が到着するまでに、俺達もその会議自体の内容に踏み込めるじゃ無いか。それこそ、もっと集中して議論も出来る。そうだろ?」
「お・・説得力があるよな、ここは副首班は議事も担当出来るんだ。リン、何か感じている事を言えよ」
コウタも追随したのだから、トップ3の2人にまでそう言われると、リンも頷き、
「まあ・・意図があるのか、或いは首班が他にも色々報告も受ける身だからな、このまま雑談をしていても埒が明かない。多分・・俺が呼ばれたのは、この前話をした事なんだろうと思う。何だ?と聞かれる前に言う。それは、生物リサイクルと、細菌による分解熱利用だ。壊しちまったが、蜂の巣はその帯電機能を持つ・・蓄電池の役目だよな。静電気発電の話をした」
ケンシンが即食いついた。




