第14章 大きく動く
「それは、分からなかった。それこそ迷路中の更に迷路・・とても複雑な構造だなあ・・こんな形になっていたのか」
ダンも知らなかったようだ。アマンもその点を強調した。
「はい・・何度も確認しましたが、それが副首班も指摘されていた金属元素の層なのだと思います」
「まあ・・その事は後でゆっくりとまた聞くよ。肝心な話が先だ」
シンは、会議の内容はこっちでは無いと流れを変えたのだった。
「はい・・つまり、その空間内の酸素量を測定した所、現我々が地上及び、居住間で過ごす何倍もある事が分かりました。つまり、巨大化出来る要素の中で、この恐竜とは恐らく鳥類起源の種であり、気嚢の大きな個体が育つのだと思われます。所謂複合要素が加味された後で一部の個体が巨大化する訳です」
「凄い理論付けだ・・それは、両空間の2種が全てだね?」
「はい・・例えば、肉食竜の中に草食系のヤモリが侵入しても、動きはやはり緩慢だから食べられると思います。ただ、肉食系のヤモリはすばしこいから食べられないで残り、その中でより大きくなった個体が残るのだと思います。蜂が今回唯一頭の肉食竜に狙いを定めた経緯においても、あらかじめ偵察蜂が対象にマーキングをするのじゃないですかね」
「成程・・具体的だな」
コウタも頷いた。この男を理論的に納得させるのは、アマンの弁論が確かな事を証明しているのだ。
「そして、気が付いた事の2つ目が御座います。草食恐竜エリアには肉食系のヤモリは進入していないと思われます。それは、何かゼニゴケに忌避成分があるのでは無いでしょうか。と思うのは、それしか消去法で考えて見ても思いつかないからです。そしてここでも大きくなった個体は、通信路を再び進入する事はありません。肉食竜より遥かに大きいからです」
「ちょっと待った・・俺達がターミナルに行った時、草食竜は居なったのかな?」
「有り得ないと思います。何故なら、肉食竜より上部に位置する草食竜の通信路は、とても狭くて肉食竜のエリアに向かう部分からしか入れません」
「そうか・・じゃあ、最初から草食竜は、空間エリアに入った時から・・ん?でも俺達は入って調査をしているんじゃないのかい?」
「ふふ・・そこが迷路の仕組みなのです。つまり、確かに進入しました。ですが、それは知らぬ間に肉食竜エリアを通過して進入していると言う事で、ここは通信路では御座いません、連絡路になると思います。私が調査したのは通信路です。またその連結路にはヤモリは居ません。そこがやはり迷路になっていると申し上げるしかありません」
「成程・・質問すればする程俺達自身も思考が迷路に入ってしまいそうだな・。これはやはり後日に聞こう。一度に頭には入りきらないからね」
コウタ程の者が頭を掻いた。だから、ここは不可思議通路、迷路なんだと言う事を、まず理解しておき、話を聞く事だ。今理解せよと誰も言っていないのだ。




