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シンカラス  作者: 白木克之
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第14章 大きく動く

「そこは・・部長にお願いしよう。後で伝達しよう・・主査続けて」


 シンが話を進める。アマンは、


「成長する過程において、やはりその体を維持する為に体組織・筋肉は変化します。そして、この蜂が襲う周期がどの位なのかは分かっておりませんが、今回の発見によって、草食恐竜が5トンに育つまでには、草食型ヤモリから想定して約10年が必要だと思います」

「10年・・そんな途方もない話なのか・・」


 幹部連中が驚く中で、アマンは続ける。


「一方、今回5トンを超えると、調査した矩形の地面が一方が下がります。その下がった斜面を滑り落ちるように、肉食竜のエリアに向かいます。丁度距離的には30M程でしたが、意外にこの空間同士が近かった事に驚きを禁じ得ませんが、10年と申しますが、現在草食竜の個体は8体。4トンに達する個体も1頭、3トン前後が2頭、2トン前後が5頭です。これらを照合するに、若いヤモリは体重300g程度ですから、それが10年で5トンに達すると言う事は、1年で500キロも成長出来ると考えられます。これをまた想定すると、毎年1頭分に値するその供給量は補える訳です。余談になってしましましたが、食性の話に戻れば、つまりゼニゴケにはそれだけまだ未解明は栄養素があるのかと思われるのです。今回・・ここにヒントがあるような気がして、隊長とリン班長によって調査して貰ったものが御座います」


 ここはそう話をしているアマンの、独演会だった。


「調査した12通信路全てで、ヤモリ及びカマドウマの存在は確かめられております。また地下都市空間及び地底湖周辺にも確認されます。ですが、何故か一番生息数が多いのが地下通信路です。今では捕獲せずともシーケンス№によって画像を15D生体プリンタに入力すれば、ある程度の識別が可能になりましたが、ここに、各通信路の生体数についてはまだ観察中で御座います。各通信路における生息数=これは密度によっても概算生息数として割り出せますが、今の所によると11時方向通信路が最も多く、また体も大きい事が分かりました」

「ほう・・興味深い話だ」


 コウタが呟く。


「そこで、実際に11時方向通信路の個体を捕獲して分析した所、体内には気嚢と言う袋がこの種にはありました。つまり、恐竜にはこの気嚢があり、より多くの酸素を体内に摂り入れる事が出きた為に巨大化する事に成功したのです。このヤモリには大きくなれる要素が、他11通信路より高いと思われるのです。何故各通信路のヤモリたちが交雑しなかったかと言うのは、その特殊位置的な空間がセパレートされていたからに他なりません。と言うのも、11時方向通信路は他の通信路と完全に遮断されているのです。それは、地図を御覧下さい」


 それは今までに報告の無かった部分だった。一見全ての通信路はターミナルと思われる部分で繋がっているように誰もが考えていたし、実際に進入もして来たのだ。だが、それが螺旋状の構造にあったのである。11時方向通信路は入り口はあるが、12時方向の通信路に連動していたのである。そして、11時通信路は、恐竜エリアに繋がる唯一のものだった事も判明したのである。

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