第13章 震える
「結果が?」
2人はすぐ言った。
「ほぼ・・何か人工的なそこだけ違和感のある長方形の地面を隊長が発見した。画面を見てくれ」
「おう・・」
2人が画面を見ると、それは、よくぞ見つけたものだろう。草食竜がゼニゴケ密集地点と、寝ると言うかまどろむ場所があって、そこが通路上になっている。そこにはゼニゴケが踏み潰されて生えないので、黄土色状の砂が現れているが、ほんのわずかその地面が境のようになっているのだ。これは余程這いつくばって見ないと分からないようなものだ。MRで撮影した地面を良々拡大して見ないと分からないだろうと思われた。
「良く・・こんな微妙な変化を見つけたものだ。計測すると、長さ10M、幅2M程だな・・」
ダンも感心したように言った。
「これを俺が現地に飛び、確認したいんだが・・」
シンが言うと、2人が反対するかと思ったが、意外にもダンは仕方が無いなと言い、コウタは、
「俺も行かせろ、それが条件だ。前回何か非常に地底湖から地下都市空間を発見したのに、もやもやとした気分だった。例の偽和良司令官騒動もあったからな」
「そうか・・じゃあ、一緒に行こうか」
「おいおい・・」
ダンが苦笑したが、もうそれは止めようも無いと判断したか、
「まあ、隊長も居る。リンも地上に居るからな、ただし、蜂がまだ別空間に居る事を否定し切れていない事は忘れるな、もし居れば、逃げようがねえぞ、空間のスペースが限られているからな」
「嫌な事を言いやがる・・でも、それが正論だがな」
シンも頷くのだった。
こうして、シンはやっぱり自分の眼で確認したかったのだ。首班の立場で余り動き回るのは本来は愚策なのだろうが、その眼はやはり確定を告げる為には必須なのだろう、アマンは思った。
「お気をつけて」
アマンはシンを送り出した。そこへ事情を知らないキョウがまたアポを摂らずに訪れた。
「あれ・・?首班は?」
「おでかけですわ、補佐と一緒に」
「そうかあ・・やっぱり先に『報・連・相』だったよなあ・・」
分かっていれば、しとけば良かったのだ。なら、この人も消化不良で、ややもんもんとしている筈なのにとアマンはにこりとする。




