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第一章 進の日常
この男は、釜子藍と言う。どうやら、シンにとっては気の許せる仲間のようだ。
「まあな、それにお前がここへ来る事は俺にも分かっていた。当然ここは密室だ。企画情報室は、情報管理局のようにがんじがらめの部屋だ。全て管理され・・いや、監視されていると言った方が正しいか。良くあんな部署で半年も我慢したもんだよな、シンも」
「しょうが無いよ。配属だけには逆らえないからな」
「ぷ・その異動を拒否するって言ったんだろうが、今日、お前は」
「ふ・・お前も情報を得て居るじゃないか。お前こそ、監視しているんじゃないのかよ」
「今回の事はさ、既に状況を知らせて貰った。だから、知り得た事さ。俺が今の立場でそんな事をやれば、消される・・確実にさ」
「ぶっそうだな、消されるってか。だが、思い当たる事が無いでもないが・・」
「滅多な事は言わない事さ。俺とお前だからこそこんな事を喋れる・」
ランは少し眉毛を顰めた。
「なあ・・企画書を殆ど理解せずに怒られたって?」
「ああ・流石に今度ばかりは、俺も少しかっとなっちまった」
「それだけ、自分なりに練ったものだった?」