第13章 震える
「う・・うおお・・すげえ・・常人離れをした操作だぞ・・」
他の幹部も、そのケイジの凄まじい噴射の様子を見ている。その間に何と恐竜は殆どその肉を食いちぎられ、どんどんその姿態を骨をさらけ出している。その骨さえもとても頑丈なのだろうが、蜂の顎は砕いて行く。そして肉片、骨片であろうと食いちぎった蜂達は、もう一つの穴に逆流して行く。その赤い熱量は、その穴を帯のように埋めて行く。だが、その先端は・・その熱量が薄れて行くのである。
「これって・・この穴はもしかして・・」
ダンが言うが、シンが即、
「副首班、それを今断じるのは早計だ。現実を見ろ。今はとにかくこの様子を眺めるしか無い。そして隊長達の精神力と持続力の方を心配しろや」
「私!お二人に活性注射を打とうと思います!」
アマンが走った。それはシンも止めなかった。
「自動噴霧のMRもうすぐ到着します!頑張って下さいっ!」
ケンシンが、誰の指示を仰ぐ事なくそんな機種も出動させていた。頼もしいとシンは思った。自発的にこの幹部達は、シンの独断ではあるが、その判断に従っているのである。これがチームワークだった。そして、ここまでにシンが思い悩んだ事は、全てその中でしっかりと根を張っている事も確信した。
「赤い熱の帯が、段々逆進するように先端が短くなっている・・・」
「もしや・・それは殺虫剤が効いて落ちた蜂の死骸が防波堤のようになっているのでは・・」
「もし・・そうであれば、小型MRを進入させましょう。そこから更に奥まで殺虫剤を注入させるのです。幾ら壁が出来ても、この蜂群は駆除出来ません。また逆流してきて恐竜エリアを埋めますから」
ここもケンシンだ。そこでダンが、
「一か八かの作戦だ・・蜂の恐竜入り口を先に塞ごう!だから、恐竜エリアを一時開けて欲しい」
「なんと・・無茶な・」
コウタもキョウも絶句する。そんな事をすれば、こっちの通信路に向かって来る可能性も高いのだ。だが、シンは・・




