第13章 震える
「ああ・・どうした!地上では物凄い事になっているようだが」
「そこの地下とドームは、防音だよな?」
「ああ・・それが?」
「このオオコウモリ群は3軍だ。総数はやっと300頭程度だが、やって見る。超音波一斉発信を。とにかく、この蜂を何とかしないと駄目だし、俺は『戒』を助けたい。一刻を争う!」
「分かった!大丈夫だ。それは防げる筈だ」
「耳を押さえとけ!犬達は、辛抱しろよっ!」
リンが叫ぶと、オオコウモリ群にホーミーを。その前にケンがリンに危機、超音波笛で、もし犬達が危ない場合には、空中に避難する事も考えていて、実際に『戒』をドームまで運んだのだ。
その次にオオコウモリが一団となり、一か所に集結していた。
リンのホーミー音の次には・・びりびりびり・・周囲に振動が走るオオコウモリの超音波同時発信が即開始されている。後方から来ていた蜂群が、引き返して行く。群れが、ドームに張り付いた蜂群と、地上に効果が見てとれた。蜂が落ちて真っ黒くなっていく。
「ああっ!」
シンが叫んだ時には、その超音波一斉攻撃が功を奏した事が読み取れた。
「よしっ!待っていられねえ!」
リンは、まだ続くそのオオコウモリ群の超音波攻撃で次第に地上に落ちていく蜂群を完全排除する前にドームにMSI飛機を降りて全力で走った。
「ああっ!危ないぞっ!リン」
もう全員が絶叫する中、リンは数匹体についた蜂を払いながら、ドーム内へ。そこにはもう息絶え々で、はっ・・はっ・・と、舌を出し、傍で涙を零しながら、自分にはどうしてやる事も出来ないと体を擦ているケンと、周囲にはくうん、くううんと父、祖父の様子を見つめる犬達が居る。
「どいていろ・・ケン。間に合うかどうか分からないけど、洒落じゃねえけどさ、カイが『戒』を助ける事になるかも知れない。薬草ともなる大葉の抽出液だ。量も分からねえ。効くかどうかも分からねえ。でもさ、俺は何とかしたい。もう寸刻を争う。良いか?」
「う・・お・・お前に任せる、頼む・・リンよ」
ケンの涙に、全員も激しく心を揺さぶられて泣いていた。ケンと『戒』の歴史、そして自分達の相棒犬達の偉大なる始祖の犬だ。勇敢で賢く、色んな所で人間達を助けてくれ、外敵を寄せ付けなかった。その犬が今幽明間近に居るのだ。リンは、




