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シンカラス  作者: 白木克之
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第13章 震える

「おい・・ラン。少なくてもさ、俺と一緒に来たんだったら、傍に居ろや、全く」


 そのランが、苦笑いしながらシンの横に来ると、


「へ・・少しだけ聞いた。トップ会談なんだし、邪魔だと思ってな」

「ふ・・口だけ達者でやがる。おい、何があった。俺も大事な事を補佐に任せて来たんだ、早く見せろよ」


 そこで、ダンはシェルターのあった場所にシン達を案内した。既に内部にあった全ての備品は運び出され、このシェルターの構造分析もほぼ終えている。掘り出すのは困難だし、余りにも巨大だ。素材もやはりマグネシウム合金が使われているようで、軽くて硬いと言う事と耐久年度にも特性があるようだ。各国はそれぞれに、ほぼこう言う素材を使っている事も判明している。


「このシェルター内を空っぽにした。見ての通り、何も無いだろう?除菌もしたし、空気も入れ換えた上で、俺達はエイジがまたこっちに戻って来たので、2人で入ったんだよ。かなりここが広いって事だけは、一目瞭然だし、目的はシェルターなんだから核戦争を想定して当然設置されているわな」

「そりゃ、そうだな」

「俺達が地球大異変の兆候とか、大規模太陽フレアによる磁気嵐についても、超先進国の一角だ。その程度の情報は当然握っているだろうと思っているし、今解析中のメモリカードからも色んな情報が飛び出して来ている」

「うん」


 シンとランも頷いた。かなり実証されるデータも抜き出している所だった。


「で・・徹底して調べた。エイジが戻って来てからやろうと思っていたから、それこそ這いつくばり、蟻の子も逃すまいと気合を入れてさ」

「お・・やっと本題が出て来たか」

「あのな、物には順序ってものがあるんだよ、だから説明している」


 少し怒ったような顔になるダンだった。


「怒るな、副首班、何時ものジャブだからさ」


 シンも苦笑い。

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