第12章 ついに存在を
「ええ・・若干、ここを発見した時より、このMR自体の存在が探査されないように、防御策を施しております。大昔の話でありますが、ステルス戦闘機のような磁鉄鉱コーティングをしております」
「あ・・だから、この地下都市そのものが、発見出来なかったと言う事由にも繋がると?」
「はい、同じ考えでやっております。郷に入れば郷に従え・・と言う言葉があるように、私達が持ち得る今の資材、技術で付け焼刃かも知れませんが、超小型MRで先に実験を行い、改良しました」
「そこまで既に考えて・・」
エイタが感心していた。しかし、それも何の小手先だとケンシンは言うのだろう。今度はカムイが、
「つまり、塔と思える土柱付近には何かバリア的な電磁場が張り巡らされているとか、バリアじゃなくてもセンサーがあると見た方が良いっすね」
「それは、可能性として非常に高いと思われます。なので、今我々が居る広場がその範囲内と言う考えにおいて、待機している次第です」
シンが勿論知っていた事実なのだろう。そこにここで検分しようと言う理由がやっと全員に伝わった。全部説明するのは容易だ。しかし、シンは全員に考えてくれと場を投げかけているのだ。そして、それが可能なメンバーであると言う認識の下に指名しているのだ。
アマンが考えていたようだが、
「先ほどのラン班長がちらっと言われた、例えば恐竜が遺伝子MIX或いは、再生遺伝子によって生み出された恐竜の異種交配であれば、子孫を残せないのは、もう遺伝学的に言われております。その第一人者である補佐を前に失礼とは存じますが、確かに卵は存在した。然しながら無精卵であった事から、そう考えました。つまり、その空間は人工的に管理下にある実験場だと思えば、おぼろに何をやろうとしていたかの一端は見えると思うのですが」
そこはシンが、
「成程・・つまり、あの2か所に灯りが射す・・それはどこからかと言う先を探れば、隠れたものが判明するのではと言う事ですね?そして、今のセンサーの話じゃないけど、むしろそのセンサーは飼育用での管理であり、灯りについては緩いかも知れないと?」
「おほう・・そこまで首班は先読みするのかよ」
マコトが唸った。とてもそんな言葉から、そこまで自分は読む事も出来ないと思った。




