第12章 ついに存在を
「だから・・そこは直接的には繋がらないけど、間接的に繋がると言う表現だ。良いか?地下都市と地下通信路は、その通路が遮断されているだけであって、現在は見つかっていないが、どこかにある筈なんだ。そして、地下1キロの深度までどうして地上の光が到達出来る?それは無いだろう?これは、人工的に光を発生させる何かがあると言う事になる。その電力が失われている状態だと地下都市を見るものの、灯りは無いが、何故か真っ暗闇では無い事も分かる。だから、その辺の関連はどうかなと言う事を、俺は不思議だなあと表現している」
「ラン・・お前は話が下手だなあ・・」
「おっとっと・・」
シンの言葉に、ずっこけそうになるランだった。周囲が、はははと、笑いに包まれた。
「良いか・・だから色んな方向から調べようと言う話をしているんだよ。ここに居る皆はお前が今言った事は、全部明らかにしようと思っている。当然データベースもしっかり見ているのさ。で・・一つ良いから言って見ろよ、お前はそんな回りくどい言い方をする奴じゃ無かった筈だ、本音を隠すから、そんな言い方になるんだよ。どこだ?お前が言うポイントはよ」
「あちゃあ・・これも見抜かれていたってか・・じゃあ言う。草食恐竜は置いといても、肉食恐竜については、定期的に自動か何か分からないが、高栄養素の餌が与えられている。そして、もしここが量子発電所類のものがあるのだったら、主要部の動力は消えていない。半永久的な原料があるからだ。それなら100年やそこらで消滅するものでは無いと思う」
ケンシンが驚いた顔をしながら、
「正に・・そう言う事ですよ。私もそう考えておりました」
「え・・そうだったんすか」
ランの方が驚き顔になる。
「と・・言う事さ。だから、色んな細かい調査は今現在も続けては居るが、今の所この動植物と地底湖で発見した鰻と僅かだが微生物類や、多毛類と言うゴカイの仲間が居た事も含めて、その『龍の巣』とは良く言ったものだよ、正に形状がそう言う細長い鍾乳洞の広大な地底洞だ。有史以来から恐らく発見されては居たのだろうが、ここまで整備されていては、やがて世界を支配すべき準備が整いつつあったと言う事だろう。それだけ大きな発見であった。但し、今の所人が居る痕跡がまるで無い。しかし、今ランが言うように何らかの給餌があるのならば、この巨体の存在意義がある。大蛇に関しては、もっと居ると思っていた。だが、あれから一匹も遭遇していない。これが現状認識だ」
「で・・じゃあ、もう雑談もそのまま検証に突入していると理解して、先ほどのこの地底全体を再び出してくれ」




