第12章 ついに存在を
「おいおい・・まあ、言わんとする事は俺にも分った。だが、カンジが或いはこの地下都市を知っている祖先の一人のDNAを受け継いでいるとしても、補佐・・ここを何と見る?恐らく首班は、ここを想像したのに違いない。そして確実に存在した。俺はさ、むしろ首班のその先見と言うか予測力の方が凄いなと思うんだけどな」
「それは、俺もそう思っているっすよ、また現幹部達に抜擢されている全員はそう思っているでしょう。淘汰の歴史は、その環境順応すると言うのが必須ですからね」
ランは何故か黙っていた。そこで、おもむろに全く関係ない話をし出した。興味のな話はスルーする。これがランと言う男の本分であるが、
「で、さあ。A国の幹部らしきシェルターなんだけど、何があったと思う?」
「5体の遺体を埋葬した。そし徹底した消毒を行い、中の空気を入れ替え、空気清浄機を設置したんだろう?何を急に言い出すんだよ、ラン、お前は」
常識的なマコトの言葉だ。
「あ・・それは誰も知っている情報っす。で・・実際に勿論生活に必要なもの全ては揃っていたし、装備も幹部らしきかなりのものだった。だが、殆ど100年は持つだろうと言われていた、電力供給システムが稼動しなかった可能性が浮上しているんすよね」
「ふうん・・それは?カムイが身を乗り出しているぞ、おいおい」
「ふ・・俺はむしろラン班長派っすからね、また組織もシャッフルするって噂じゃないっすか、俺はラン班長と組みたいっすよ」
「おいおい・・そんな武器マニア、ゲーマーのショウもそうだが、3人も固まったら、どうなるか分からんぞ、それは無い。俺がそうなれば、断固反対するわ」
マコトが、冗談じゃないよと言う真顔で反論すると、頭を掻く2人だった。どうせ、自分の話を展開したいのだろうし、シンもこちらに合流すると聞いている。暇つぶしに聞くかと、マコトは、
「じゃあ、何があったんだ?聞こうか」
途端にランは眼を輝かせ、
「ええ!実はっすね、副首班がどんどん日本に送って来ているリストを見ていたら、これ活動中の通信記録が残っている可能性が高いんすよ、だって、ここは幹部、それもかなり上級の者が恐らく平時からそう遠くない恐らく舗装路か、或いは日本程じゃないけど、地下道で繋がっていた可能性が高いんす。それは殆ど世界各国が地上では無く、地下に重要システムを持っていたと言う事から見ても、そうなるんすよ」
「まあ・・そこは、確かに」
コウタもそれには頷いた。




