第12章 ついに存在を
「とにかく、我々は秘密の・・もしかしたら地球再生の鍵を握るかも知れない文明の形跡に触れた訳です。そして和良司令官でさえも阻んだ、その本質を知らねばなりません」
そして、コウタ達もとうとうその地下都市空間に到達した。まさにこの地下都市空間の上部に迷路の螺旋状地下通信路がある。それはどこにどう繋がっているのか未だの謎の地下通信路だ。恐らくそこへ迷い込んだら最後、出られる事は無いような不気味なものだ。しかし、彼らはそこへ執拗に注力する事は無かった。その判断はシンがしたのだ。その感覚はやはり誰にも分からない。だが、もうその先に彼らは到達してしまったのだ。全く違うアプローチによって。もし世界大戦が核を使わないと言う限定条件の中で行われた時、この地下都市空間は、難攻不落。その存在すらベールに包まれていたのである。決して発見される事も無かっただろうし、その文明は滅びた。未だに誰が地球を破壊したのかの真偽については、ここに来てやや不明になって来ている。つまりその凶行を阻止せねばならかったのか、或いは征服しようとしたのが誰なのか、どの国なのか、今まで言われて来た和良司令官説・・それは違うのかと言う事になる。
「ここが・・本当に存在したんだ・・」
「補佐・・地底湖ルートも発見したようだな。俺は感動しつつも、ここで待機するように言われた」
「それは、俺達も同じっすよ・・」
「デジャブ―って言葉はあるけど、これはカンジ班長が以前念写と言う能力で、絵を描かれていたっすよね。どうなんすか?そこの部分は・・夢などじゃなく、現実にあったと言う部分においては」
エイタは工学系の者だ。その辺は、精神分析学的にもコウタは詳しい。待っていろと指示がある以上、その場で留まる彼らは、集まって話を始めた。
「これは、恐らく太古の人類が持っていた第六感と言う部分だろう。先ほど俺も以前描いたと言うカンジの絵は再確認した。大まか的に確かに広大な空間であり、確かに都市構造は確認出来た。ただ、念写では無く、正確的にそれが今言う大まかな部分では的中しているものの、そう言う能力とは別に転写では無いのかな、それは感じる。その自分の脳内で創り出す幻影に過ぎないんだけど、描いたそのものが、或いはカンジが言うように意識してでは無く、ある日突然閃いたと言う部分においては、非現実だと我々も思っている。だけど、俺達の中に流れる遺伝子情報まで遡ればどうだろう?恐らくそんな人間の脳裏に刻まれなかった筈の情報が、隔世的の出て来たと言うものは、その遺伝子情報も関連しているのでは無いかと・・あ、だからそれは、俺が生み出す俺の脳内での想像論だ。そう言う部分に当てはめれば、意外にも生まれ変わりであるとか、前世と言う言葉はその辺で考えられると思うんだよ。だって、俺達って自分の先祖すら知らない訳じゃん?そのDNAは、世界中から集められた培養されている50種の源が全てなんだよね。その情報がどこかで具現化して来る事は、全く考えられない訳じゃないと思う。だから、思うと言う部分に留めてくれよ、ふふふ」
「何だか・・聞いていると納得出来る部分があるっすよ。だって、俺達の記憶媒体だって、積み上げられて来た様々な地球的環境に左右されたり、確かに無秩序な自然繁殖にはバグも多い。しかし、それは淘汰の歴史の中で生き延びて来た。本来はその自然の中で弱い個体は淘汰されるべきなのに、人は同じ種を滅ぼしたり、また違う種を滅亡もさせて来た。その黒歴史よって、現在あるべき姿に強烈なしっぺ返しを食らっているんす。そう思えば、有り得る話になりますもんね」
そこでマコトが、




