第一章 進の日常
「部屋に戻りたまえ、若山君。それに、絶対に今日の事は他言するんじゃ無いよ、分かったね。少しでも対応が悪かったら、君の椅子は即座に無くなる」
「は!はぃい!」
若山は最敬礼をして、その場から離れるのであった。
そのシンであるが、ここも恐らく広大な研究施設?組織の敷地内にあるのでは無いかと推察される。そこの僅かに開かれているカフェ風の建物の中に入った。
彼が到着すると若山と同様に、すっと扉が開いた。それはシンの行動も、またどこかで管理されている事を意味する。つまりは、訳の分からない事ばかりだが、この広大な敷地内全てが、その管理下で厳重に管理されている事なのだろう。守衛門にしても、敷地内にある一部の施設であるのは間違いないと思われる。どうやら、そこまではここまでの経緯で推察出来るのであった。
「よお・・どうした、こんな時間に。シン、休みか?」
長髪の真っ赤のピアスを耳にした長身の男が迎えた。
「休みと言うより、自分から飛び出して来たよ、俺のやる事成す事、異端の無能者としか見て無いからな、若山室長は」
「おいおい、全て聞こえているんだぞ、上に。そんな事を言っても良いのかよ」
「ふ・・構わないさ。そのつもりで喋っている。それに、ここへ来る事も知らせてあるし、恐らくシャットアウトされている筈さ、藍」