第11章 次々と・・
「隊長・・いよいよ、そちらの始動開始っす。犬軍団も元気そうっすね。ランを別ミッションに突然向けて済みません」
「何の・・黙ってあんなものを持って来たランが悪いよ。通常なら厳罰の所だが、首班が見事にフォローしてくれた。と、言うより敢えて掌の上で転がされていたと思えたがな、はは。でもさ、ソードもレーザー・・武器と言うのかな、これは同じように見えても、用途が非常の幅広い、有効活用するもしないも、使う側の意思一つで変化する。だから良い仕事をしてくれたぜ、光ソードは破壊力はあるが、回転させながら掘削用に使う場合でも取り換えの頻度が高いが、このレーザー器具と言うけど、これは壊れない限り半永久的に使えるんだ。そのヒントが和良無線光ケーブルに繋がっているんだとしたら、やはりこれはとんでも無い武器にもなっただろうなと思ってさ」
「おっと・・隊長・・そこは今オブラートに包んどく話っす。参ったな」
「あ!済まん・・俺は腹におけないからな」
「首班・・今のオフにしておりました。会話は私達だけなので、ご安心下さい」
ケンシンも、少し顔が硬直していた。マコトの良い部分、悪い部分・・この場合、正直過ぎると言う事だ。今の情報は何を示唆するのか・・それこそ、ランにも強く今回レーザー銃の反撃用武器携帯を禁じた経緯にある。
「ふう・・ああ言う部分す。隊長は・・」
シンも苦虫を噛み潰していたような顔になった。つまり、何かがそこにまだ隠れている重大なものがあると言う事だ。シンは、
「では、通じた斜坑を既にサテン、ウテン班長達が工事を完了してくれているっす、ゆっくり進んでください。エイタ、サナギを画面に」
もうシンは、次に色んな指令を告げて行く。
「はい!」
エイタもサナギも24歳の最年少第3世代だ。最年少と言うのは少し御幣がある。第3.5世代が50人近く育っているが、まだ未知数だ。それにT国転生博士達も確かに3歳児の成長はあるが、T国森林に開放したばかりだ。その環境に心の成長が馴染むまで時間も掛かるだろうし、その才覚も未知数だ。それに、シンはそれ程このT新人類に期待もしていなかった。そこがキョウとは考え方の違いもある、キョウはT国にその5名が戻された事を知らない。既に彼等をシンに全面的に任せているからだ。
元気良く答える2人には、初めての実践活動だ。紫外線防護服を着こんでいるが、動きも俊敏で、頭脳も明晰だ。主に異動もあってアマン班に加わったばかりの2人だが、今回のミッションではマコト達に加わった。この異種の専門分野以外の組み合わせは、シンの脳裏にあるもので誰も実際のミッションに入ってからでないと、本旨は分からないものがある。




