第11章 次々と・・
「何も・・それはあるのか無いのかは、やっぱり探って見ないと分かりませんからね。でも、これは責められておりましたが、ラン班長の発案なんですよ、ショウ班長がその仕組みも教えてくれました。ほぼ周囲を埋めていた分厚い土は、粉砕して除く事が出来ましたからね。これは画期的な開発ですよ。レーザーの応用的発明です」
「そうなんですか!じゃあ・・ひょっとして首班も?」
そう言ってケンシンがシンの顔を見ると、それは当たらずとも遠からずのようだ。詳細は知らずとも、怒った事は決してポーズとは思えず、その後の差配も見事の一言であるが、確かにシンの所にはある程度の情報が日夜あがって来るし、ショウがダンに説明した段階で、これはオープンになっている情報だと言える。それは自分の持ち場で、もう目いっぱいやっているケンシンに、そこまで知っておくべきだと言える訳も無い。それはは酷だし、実際無理だ。しかし、シンなら僅かな情報からでも大きくその本分を外れずに把握する事が出来るのだ。ここで、ランはもう第一級の功労者?いや・・黙ってそんなレーザー武具を持参している所に大きな規律違反がある。シンはそこを責めたのである。このようにトップたる者は、これ程様々な点でその立場的思考を要求される部分が大きいと言う事だ。
ケンシンは、
「そこまで露出しているのであれば、確かに素材は恐らく月基地のものと同じなのでしょね、マグネシウム合金の日本製とはその組み合わせや、分量の違いもあるでしょうが、実際外部からのそう言う調査は無理でしょう」
「あ・そうですか。確かに素材がそう言うものであれば、電磁パルス爆裂でもある程度防げるでしょうねえ」
ダンも納得するのだった。シンは、だがこう言った。
「副首班、それならば、レーザー銃をお前も持っているんだ。どこかに貫通させろ。その穴から探査用に光ケーブルと小型カメラを入れて見たら?或いは大き目の穴を開ければ、小型MRならそこから侵入可能だ。その辺の柔軟さはお前だからあるだろうが?」
「おい、それこそ首班が柔軟すぎるっつうんだよ。でも、それは有りだな・・おい、ショウ。貫通できるレベルの調整はどこだ?」
苦笑しながら、ショウがシンに合図を送った。その為の有効活用ならば、今後どんな穴であろうと開けられると言うものだ。これぞ、とんでも無い応用力であろう。ランはデータベースのこれは巨大サーバを、もう既に5台も製造してしまった。これは小国のAIに匹敵出来る容量を誇る。更に演算速度=ベンチマークにもこだわって、飛躍的に向上させている。正に技術系のケンシンをも上回る才能を発揮しているのである。が・・しかし、ランの場合は自分が興味があるか、手中出来る分野でしかその能力を使わない。言い換えればマルチなタイプでは無いと言う事だ。シンはそれを良く分かっていた。だから、特別な分野によりその方向を向けさせる事にシンは卓越した人物だと言えるし、各個人の事を一番良く把握している人物だと言う事だ。
これは素早かった。ランもコウタの班に合流した。コウタにはあらかじめランが合流する事を伝えてある。




