第11章 次々と・・
「20分程で補佐達が合流する。そちらに何か変わった事は?」
「今、ぐるぐると周囲を回っているものの、特に変わった事は無い。合流するまで待機しておこうか?」
「そうしてください。ラン班長を・・」
「え・・俺?」
ランが顔を見せる。シンは、
「ラン、お前に少し託したい部分がある。お前が取得して来たA国製のレーザー銃は持っているか?」
「え・・何を・・」
ランが動揺している。そんな武器を勝手に持ち出していたら、完全に規律違反だ。しかし、ランがMRの中にそれを隠していたのを、シンは見抜いていたのだった。専守防衛と言う手段が、確かに戦術の中にはある。しかし、今その戦争状態なのか?調査である筈の今回のミッションがそうである筈が無いのだ。シンは少し厳しい顔で、
「正直に言わないと、規律違反でお前は即帰還させるし、除名もあるぞ、ラン」
「・・実は持って来ている」
「な・・何いっつ!」
横でマコトの烈火の大声がする、ケンがどうにかなだめている。
「補佐・・こう言う奴なんすよ。でも、それを承知で同行させているんで、堪えてやって下さい。で・・ラン。お前は、単独でコウタと入れ替わりに地底湖に戻れ。でも、良いか?俺の指示に従えよ、そこでもし個人行動があったら、今度こそ完全にお前はアウトだからな」
「あ・・ああ、分かった」
シンのその読めない指示に、きょとんとしながら20分後コウタ達がマコト達に合流、シンは、指示があるまでそこで待機しつつ、変わらず調査は継続するように伝え、単独で今度はコウタ達のMSI潜水兼用機にランが単独で乗り込み、自動操縦で地底湖に向かって行った。当然そのA国製のレーザー銃はランが抱えているが・・
それと同時に、今度はアマン達をシンは呼び出した。こちらも現状に変化は無いようだが・・




