第11章 次々と・・
シンが言うと、コウタの班が地底湖に到達していた。こちらは僅かに3名の調査班だ。マコトやケン、リンが長い時間を費やして、ようやく見つけた地下通信路の迷路のような場所を過ぎて、最深の地下通信路を経て、更にそこから地下水流に乗り、到着すると言うとても長い距離を進んで来た。その為、水の中でも進める3人が十分に乗れる大きさの地下水路用MSI飛機が必要だった。それをケンシンが試作を重ねて間に合わせたのだ。水陸兼用、宇宙にも行けると言えども、全て同じ素材・構造では駄目だ。それぞれの用途を持ち、そう言う開発は、科学技術の発展していた旧新代にあったAIが行うものだ。それを人間の技術力、開発力が試される現実のあるものを使うしかない製造なのだから。だから誰もがケンシンを賞賛しているのだ。その応用力の凄さを・・。
「いかがですか?」
ケンシンの素早い対応にコウタは少し驚きながらも、
「バックアップ恐れ入ります。地底湖にどうにか到着しましたが、相当この場所は広く、水深も相当あるようです。実際にMRの情報を何度も確認したものより、断然リアルだし、今何か眼の前を通り過ぎたような気がしたので、解析をお願い出来ますか」
「了解です。首班も一緒ですので、すぐ解析を開始します。あ・・それまではその場所に待機願います」
「こちらも了解です。視界も無いので、MRの灯りだけですからね、じっとしています。と、言うか、水底まで潜水しますので」
賢明な判断だ。エイジもカムイも同様の意見のようだ。尤もコウタがこの班の指揮官だ。彼らは補佐役に選任している。
「と・・言われておりますが、いかがですか?首班」
ケンシンが聞いた。
「深度はどの位ありますか?地底湖の」
シンは、詳細までは把握していなかった。各情報はデータベースに収まっているが、そこまで自分の情報の中に取り入れるまでは、シン程の者でも無理だ、今回は大掛かりなミッションである。そこは各メンバー達に委ねるしか無かったのだ。




