第11章 次々と・・
「そこで俺もその言葉を実は待っていたので、その通り!2人は、重要なミッションの意味すら分かっていない。外すと言ったら泣きが入ったんで、2人とも最終今回の班編成で最後に通知したんす。全て目的が違う班に入れたっす」
「ご英断で御座います。あ・・首班、室長の地下恐竜生息場所に何か動きがあったようです」
キョウの派遣場所が、M国の恐竜生息空間である事がこの時分かった。
シンが指示を出した。
「室長、草食恐竜は襲っては来ないものの巨体だ。十分に注意してくれ」
その音声はミナミ、タナベ、アイカのヘルメットに装着していいる音声から鮮明に聞こえる。
「了解・・流石にこの巨体を見れば震えるぜ。実際に見るのと、画像で見るのとは迫力が違う」
正直な感想だ。だが、単なる調査にその場所に来たのでは無い事は次の言葉で分る。
「一つだけ・・到着してすぐ感じたが、この空間の酸素濃度は非常に高いな。人工的に作られている以外に考えられないので、調査を続行する」
「了解・・十分に調べてくれ」
そこでケンシンは、やはり他のモニターもシンと一緒に注視しているが、
「ところで?酸素濃度と恐竜の相関関係は、酸素濃度が高いと成長の度合いも違うと言う説がありますが・・」
「それは巨体を維持するので、多くの酸素は必要とするでしょうが、この場所の特殊な環境でゼニゴケしかない植生の中で、どうして酸素が供給されているのかと言う事でしょうね。つまり恐竜が吐き出す二酸化炭素を全てゼニゴケが吸い、酸素を供給出来る筈も無いし、こんな食しか出来ない中で、この巨体を維持出来るのかと言う謎が大きく勝っておりますしね」
二人は科学者、化学者的な問答になっている。しかし、これは重要部分でもあろう。
「はい、謎だらけですよね。ただ・・今の酸素人工供給説が非常に有効に思えるのです。また、確かに草食恐竜は巨体ですが、無精卵はあるものの、繁殖している実態も無い。動きは緩慢で運動的消費カロリーが少ないから、維持出来ているとしても、不思議な部分ですよね。もっと言えば、採取したDNA遺伝子情報が無いと言う事もです」
「そうですねえ・・聞けば聞く程、この空間自体の存在そのものがおかしいし、何故ここに恐竜・・これは見た眼で言っておりますが、新種の生体が存在している事由が・・」
「アナコンダの事も十分に分っていません。あの巨体は、恐らく地底湖に繋がる何かが隠されていると言う推察で、ようやく地底湖を発見した訳だから・・あ・・そっちの補佐の班にも何か動きがあったようです」




